渥美清主演、山田洋次監督の映画『男はつらいよ』シリーズの主人公・車寅次郎は、こうして育まれていった! 寅さんのエピソードゼロを描くドラマ『少年寅次郎』が、NHK総合の土曜ドラマ枠(毎週土曜 後9:00、全5回)で放送されている。山田監督の小説『悪童 寅次郎の告白』を原作に、寅次郎出生の秘密から、戦争をはさんだ悪ガキ時代、そして最愛の妹さくらに見送られて葛飾柴又の駅から旅立つまでの物語を、脚本家・岡田惠和氏が紡いでいく。

【写真】第4回(9日放送)に寅次郎の産みの母・お菊が登場

 第1回から第3回の途中まで、子ども時代の寅次郎を演じた、藤原颯音(9)。第3回の途中から最終回まで、思春期の寅次郎を演じた、井上優吏(14)。ふたりの“少年寅次郎”にインタビューを実施した。

――いかにも大きくなったら渥美清さんの寅さんになりそうなおふたりですが、特徴的なほくろがないと、全然印象が変わりますね。

【藤原】ほくろは付けていても違和感なかったです。

【井上】ほくろを付けるとスイッチが入ったような気になりました。(撮影中は)つけていることを忘れちゃうくらい、自分の体の一部のようになっていました。

――連続ドラマのメインキャストという大役を務めるのはふたりとも今作が初めて。撮影で楽しかったことや苦労したことは?

【藤原】第1回でヘビを振り回してカップルがいるところに落ちて、男の人がワーッって驚くなるところが面白かったです。バラバラに撮っていたから、放送を見てこんなふうになったんだな、すごいなって思いました。

 難しかったのは、泣くシーン。泉澤祐希さん(おいちゃんこと車竜造役)が、(心臓のあたりを押しながら)「ここで泣くんだよ」と教えてくれたので、(泣くシーンの)撮影の時、自分で(心臓のあたりを)押してたんですけど、監督も同じところを押したのでスイッチがオフになっちゃった。なかなか涙が出なくて、めっちゃ頑張りました。記者会見で泉澤さんに会った時に、スイッチがあるわけじゃなくて、ハートっていう意味だったと言われました。

 第2回の最後にお母ちゃんに叩かれるシーンがあって、それは痛かったです。

【井上】大きくなってからは、子どもの頃の無邪気な感じもあるけれど、親に反抗したり、失恋したり、家出をしたり、一人で抱え込んでいく感じを出すのに苦労しました。

 第3回で、さと子に恋するところでは、すごくドキドキしました。さと子役の森七菜さんに本当に恋したようにドキドキしながらやっていました。さと子に「寅ちゃんみたいな人を好きになればよかった」」と言われた時は、「好きではなかったんだな」というのがわかってグサッときました。

――さと子にデレているところは、渥美清さん演じる大人の寅さんを彷彿させるものでした。映画『男はつらいよ』を観て、役作りしたんですか?

【井上】観ました。渥美清さんの寅さんに似せつつ、心からドキッとしてデレている部分もありました(笑)。

――藤原くんはドラマの中の無邪気な寅ちゃん、そのまんま、という感じですね。

【井上】そうなんですよ。一緒に遊ぶと疲れるくらい。(取材がはじまる前も)ずっと騒いでいて(笑)。でも、一緒にいて楽しいし、いい弟だなって思います。

【藤原】(笑)。友達のお父さんから演技うまいねってほめられてうれしかったです。

――制作統括の小松昌代さんが、「顔で笑って心で泣いて」という微妙なお芝居やりきったと絶賛していました。これからもお芝居を続けていきたいですか?

【藤原】このままずっとやっていきたいです。泉澤さんみたいに泣くのがうまくなりたいです。

【井上】僕もやっていけたらいいな、と思っているんですけど、ダメだったら、オーディションでも言ってたんですが、料理に興味があるので、料理人になれたら。続けられるのであれば、嫌われてもいいので悪人もやってみたいと思います。

――好きな女優さんは?

【藤原】井上真央さんです。

【井上】同じく、井上真央さんです。

■第4回(11月9日放送)
 寅次郎(井上優吏)は中学2年になり、平造(毎熊克哉)に批判的な視線を投げることを、光子(井上真央)は心配する。勉強はからきしだが、担任の散歩先生(岸谷五朗)の英語の授業だけは理解はできないけど好き。そんな散歩先生に呼ばれた寅次郎を待っていたのは産みの母・お菊(山田真歩)だった…。