芸能人や著名人、ご意見番と呼ばれる人が、テレビのワイドショーやSNSなどで問題発言をして炎上、そしてバッシング…という風景が日常化して久しい。そんな中、先日の台風19号で台東区がホームレスの避難所受け入れを拒否したことを『バイキング』(フジテレビ系)で取り上げた際、おぎやはぎ・小木博明が発した「ホームレスの方は逆に(生活が)アップグレードする」というコメントが話題となった。攻めた発言だけに批判の声もあるものの、大炎上しているわけでもない。何かと攻めた発言を繰り返しているおぎやはぎだが、炎上もせずに何となく認められている(?)理由とは?

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■見ている方がヒヤヒヤ!? 温和な佇まいとは裏腹に“毒”を噴射するおぎやはぎ

 芸能人・著名人のコメントが炎上するには、まずSNSやネットで盛り上がる必要がある。今回の小木の発言にしても、番組で発言した直後からTwitterを中心にコメントが飛び交い、それがまとめサイトやネットニュースで取り上げられる…という流れで拡散してきた。芸能人・著名人が自らのSNSでコメントする場合は、炎上させることを目的として巡回する一般人が火を点けるというパターンもあるし、炎上しがちなコメンテーターとして知られるご意見番・立川志らくのように、番組で発言した後にさらに自分のTwitterでも発言して延焼する…という例も多い。

 そしておぎやはぎだが、そもそも“おぎやはぎの問題発言”は今に始まったことではなく、攻めた発言ができるコメンテーターということも周知の事実。前述の『バイキング』をはじめ、『JUNKおぎやはぎのメガネびいき』(TBSラジオ)やタイトルからして問題ありの『ブスTV』(Abema TV)での発言、またはかつての『クイズ☆タレント名鑑』や『クイズ☆スター名鑑』(TBS系)など、見ているほうが冷や汗をかくような問題発言を繰り返しており、ネットニュースでも取り上げられることが多いのである。

 しかし、とぼけた雰囲気のあるキャラのせいか、言いにくいことも巧みに笑いに包んで発言してくれる“市井のリアル過ぎる本音”のような扱いもされ、なぜか批判にさらされるところまではいかず、「それでこそおぎやはぎだ」とばかりに何となく聴者にも認められてきた感がある。

■ラジオが彼らの戦場 ファンとの交流にSNSを使わないタレント術

 おぎやはぎが炎上しない理由として、SNSをまったくしていないことが挙げられる。かつてはブログとTwitterのアカウントもあったようだが、現在は使用されておらず、SNSに対しても先述のラジオ番組で、「俺たちは面白い人と思われたくてお笑いをやっている。でもコレ(お笑い)は仕事でやっている。Instagramは好感度上げたり宣伝にはなるけど、お金が直接入るわけではない」と否定的な発言をしている。また、面白いこと=プロの仕事の一部としながら、何かと規制の多いテレビではできない発言ができる場として、彼らがSNSではなくラジオを選んでいるところも興味深い。

 とは言え、ラジオでプロのお笑い芸人として熱く何かを語るということはなく、むしろ正反対の脱力ぶりでどこか冷めたところがあり、人を食った感じもある。そのノリにリスナーもつい引き込まれ、彼らの暴論(といっても、内容は過激だが荒々しくない)に対しても、本気で反論するのは野暮と思わせてしまう雰囲気を持っているのだ。


■高田純次のような適当さ 出来上がった“熱くなるだけ野暮”という世界観

 そもそもトークのノリとしても男子高校生が体育館の裏でダベっているような、高田純次ばりのゆる~いものであり、オタクまではいかないまでも文系のメガネ男子的。おぎやはぎ側もリスナーの投稿を通じて「ファンと交流する場」を作ろうとしているのか、炎上させないような力学が払いている感もある。

 毎日のようにあちらこちらで炎上し、火消しに走っているつもりが逆にガソリンを投下するかのごとく延焼させることもある日本の芸能界。先のおぎやはぎの「ホームレスアップグレード発言」でも批判コメントはけっこうあったが、「ちょっとさすがの小木さんもこれは…」といったコメントに見られるように、小木「さん」とさん付けのコメントが大量にあるあたりに、おぎやはぎが世間からもキャラとして認知されていることがうかがえるのだ。また、暴言を吐く一方で『ゴッドタン』(テレビ東京系)などの深夜番組では、小木が美女にメロメロになるエロ男キャラだったり、実は矢作のほうが「このブスが!」と平気で言い放つ過激キャラだったりするなど、愛すべき“意外性”もある。

 メガネをかけ、おとなしそうにも見えてプロっぽさ感ゼロなのに、過激発言も多く、またそれが許される。ラジオを通したリスナーとの地続き感や、いい意味で熱量のこもらないおぎやはぎの不思議なスタンスは、圧力だらけの世の中では視聴者にとって心地のいい温度加減なのかもしれない。そして、そんなユルいスタイルこそが炎上を自然鎮火させているのだろうし、それこそが“真のプロ”といえるのかもしれない。