ジュビロ磐田に所属するプロサッカー選手・大久保嘉人選手が、『週刊少年マガジン』(講談社)で連載中のサッカー漫画『ブルーロック』とコラボレーションしたインタビューが30日、漫画サイト『マガポケ』に掲載された。作中で行われるエゴイスト育成計画について、自身のエゴイストFW論を語っている。

【写真】サッカー漫画を読んで笑顔の大久保嘉人選手

 『ブルーロック』は、2018年サッカーW杯で敗れた日本代表に足りない“圧倒的エゴイズムを持ったFW選手”の誕生を目指し、日本が国を挙げた高校生選手育成プロジェクトを開始するサッカー漫画。2022年のW杯優勝を目指す姿が描かれる。

 史上初3年連続でJリーグ得点王に輝き、J1通算最多得点記録保持者でW杯出場経験もある大久保選手は、“百獣の王”の異名を持つ点取り屋。作中のエゴイストFW論については「俺も賛成です。正しいと思いますよ」と賛同し「ストライカーにはそういう部分が必要だと思いますし、今の日本にはなかなかそういうタイプの選手はいないですから」と説明。

 自身のプレーの根本に「エゴイズム」があるそうで「FWのエゴとは、『要求』できる力だと俺は思います。俺も『俺が決めてやる!俺にボールをよこせ!』という強い気持ちでプレーしています。理想的なFWって、苦しいときに決められる選手だと思うんですよ」と説く。「俺も『あいつに渡せば何とかしてくれる』という存在でありたい。そうなるためには『俺によこせ』と要求するパワーが必要です。チームメイトに日ごろからそういう姿勢を伝えていく。結果とコミュニケーションで、ボールを託してもらえる雰囲気を作っておく」と普段からチームメイトとのコミュニケーションが大事だと伝えた。

 現在もプロの世界で活躍している大久保選手だが、「エゴイズム」の心が折れることもあるという。「シュートの不発が続いたりすると、気持ちが弱ってゴール前ドフリーで超チャンスな状況だとしても『俺のところにパス来るなよ』と思ってしまったりする」と告白。

 「でも、そういう時でも『要求』を止めることなく、弱いところは見せない。求め続ける。練習を思い出したり、これまでの成功体験を思い返して『俺ならやれるはずだ』と気持ちを奮い立たせて。それでシュートを決めれば、乗り越えた自信がまたつきますから」と経験談を語った。

 それを踏まえて漫画の「エゴイストFW論」に共感できるとし「自分の気持ちをしっかりと外に表現できる選手が日本にはもっといるといいと思いますね。プロでも『俺が!俺が!』という気持ちを外に出せる選手は少ないですから。日本は、周囲を気にして、エゴな気持ちを外に出しすぎるのはみっともない、というような価値観が根付いているのかもしれません。海外だと、少年チームの選手でもそうしたエゴイズムを遠慮なく外に出していますから」と日本と海外の違いを明かす。

 そして、エゴイストがある選手育成については「やっぱり、まずは自信を育てること。そして、若いうちから熾烈な競争を経験させることだと思います。勝った快感も大切ですが、負けた悔しさも大きな糧になるんですよ。そうしたプラスマイナス両方の感情をしっかりと表に出させること。あとは、失敗を恐れなくていいと学ばせる事。そこがストライカーのいいところです。それまでにどれだけ失敗していようが、一発ゴールを決めればすべての評価がひっくり返りますから」と持論を展開している。