NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。第1部の主人公・金栗四三役の中村勘九郎がクランクアップから数日後、取材に応じた。

【写真】いくつになっても走り続ける金栗四三

 「僕はスポーツ音痴で、運動が苦手だったのですが、この作品で走ることの楽しさを知りました」と、自身の“変化”を語った勘九郎。カタール・ドーハで行われた『世界陸上』(9月27日~10月6日)の中継を朝まで観た日もあったといい、「十種競技でアントワープオリンピックに出場した野口源三郎くん(永山絢斗)を応援するような気分で観ていました。スポーツの見方も変わり、自分自身も楽しいです」。

 来年の東京オリンピックも楽しみにしている。「『スポーツ』という言葉がないというか、浸透していない時代からドラマをやってきて、来年、東京で2回目のオリンピックが来るわけですから、感慨深いですよね」。

 金栗四三は、日本で初めてのオリンピック選手(マラソン)としてストックホルム大会(1912年)に参加するところから、走り続けてきた四三。現役を引退しても「走ること」への情熱が冷めることはなく、オリンピック選手の育成に邁進。戦後、1964年東京開催が決まると、聖火ランナーを目指して再び走り始める。

 『いだてん』の撮影期間は1年半に及んだが、「大河の主役は大変そうだな、と思っていたんですが、『いだてん』は途中で主役を田畑政治役の阿部サダヲさんにリレーして、群像劇としてみんなで作り上げていく感じだったので、大変さはなかったですね。金栗さんはとにかく走っていた人。僕も走っているのが楽しかったですね」。

 「口がいだてん」と言われた田畑とは対照的に、金栗は「スッスッ、ハッハッ、としかいってないんで(笑)」とせりふも少なめ。「第39回で、弟子の小松勝くん(仲野太賀)にも『走っとるか、笑っとるか、飯食っとるか、だけんね』って言われてましたね(笑)」。

 大河ドラマとしては“異例”の主人公だった金栗四三。役作りも“四三らしい走り方”を身につけ、走るための体作りであった。勘九郎は「走っていると膝の調子が良くて、走らずに歌舞伎の稽古だけをしていると膝が痛む。膝のためにも走り続けようと思っています。フルマラソンを走りたいと言っていたのは実現させたいですね。どこかでこっそり走ると思います」と、改めてフルマラソンに挑戦する意向も明かしていた。