猿回し師の村崎太郎が25日、都内で太郎次郎40周年記念公演『さる軍団のハムレット』を昼夜2公演で開催。第1部はシェイクスピア四大悲劇「さる軍団のハムレット」、第2部は「40周年ダイジェストショー」と題し、太郎次郎、弟子のゆりありく、そして若手にいたるまで門下勢ぞろいによる演目というバラエティに富んだプログラムで会場を沸かせた。

【ライブ写真】悲劇か喜劇か…『さる軍団のハムレット』の模様

 第1部、舞台は大理石の玉座の間。冒頭、斜幕のスクリーンに「悲劇 ハムレット」のタイトルが映し出されると、やがて「悲」の字が「喜」に変わり、悲劇は喜劇なのか、笑うべきか泣くべきかを観客に問いかけて、劇がスタート。みなには姿が見えない、ハムレットの父の亡霊と、墓掘りの道化役を演じる村崎以外は、ハムレット、オフィーリアはもちろん、玉座の現王クローディアス、王妃ガードルード、ポローニアスとレアティーズなど主要な役どころは全て“猿”によって演じられた。

 第2部は、スーパー猿芸『義経』より「五条の橋の場」で幕を明け、義経役の小さいお猿の蓮(3歳)が軽々と宙に舞う。神様と人間の間をとりもつ存在として昔から敬われる「猿」が、境内に狛犬の代わりに置かれる赤坂日枝神社に奉納された演舞「三番叟」、2組の猿まわしが「ゴドーさんまだ来ないなー」と言いながらそれぞれ交互に竹馬の技を披露し、対抗する「ゴドーを待ちながら」などが行われた。

 村崎の弟子の中からピックアップされた1組である「ゆりありく」が、2代目「りく」となる「くう」(襲名式はこれから予定)とともに自身の代表コント「お墓まいり」を披露し、新生ゆりありくとしてデビューを飾る一幕も。さる軍団再オープン時の初演作「リスペクトシアター」では、3匹の猿が次々と有名キャラクターや人に扮し元気に出し物を披露した。

 グランドフィナーレでは、総勢10頭以上の猿によるダイナミック芸の数々を披露。1頭、2頭と猿が増えていき、間髪入れずジャンプ。3メートル、5メートル高のポールの頂点で逆立ちを決め、メインの大技、八艘(はっそう)飛びでは、階段と階段の間の、身長の何倍もの距離を軽やかに飛び、小さい体からは想像出来ないダイナミックさを見せつけた。

 公演を終えて、村崎は「40年間何度も上演を試み、挫折してきたシェイクスピア四大悲劇『ハムレット』を今回ようやく、さる軍団で上演する事ができました。猿でハムレットをやるなどと、世界中で誰も考えなかったでしょう。観る人は、泣くべきか、笑うべきかを自身にゆだねられ、どうしたらいいかわからないかもしれませんが、芸人である私は、笑いが起こった時にホッとします。今回、文楽的発想のハムレットが上手く行ったので、次は落語もやってみたいと思っています。(古今亭)志ん朝好きですし、例えば八五郎、芝浜とか。次の世代を育てる事も大きな目標ですので、今度は弟子100人と舞台に立ちたいです」とのコメントを寄せていた。