仕事、学校、育児…様々な予定を忙しくこなすなかで浴びるシャワー。ホッと一息つく半面、「あれ…どこまで洗ったっけ?」「髪がぬるっとしてるから、リンスまではしたのか?」と、自分がどの工程まで洗い終わったのか分からなくなってしまう体験をした人も多いはず。そんな出来事を漫画にしてTwitterに投稿した、倉田けいさん(@kei_s20)のツイートが話題になっている。息子さんの妊娠や育児についてイラストや漫画で発信し、「特に妊娠中はSNSの存在に支えられていた」と語る倉田さんに、投稿のきっかけやSNSを活用するなかで感じたことを聞いた。

【漫画】「あっ! この動作さっきやったわ…」忙しいときのシャワーあるある、倉田さんの母への思いをつづる漫画も

■「またやってしまった…」2回目のシャンプー、悔しさと切なさを漫画に

 「疲れているときのシャワー」と題して投稿された漫画は、53万以上のいいねがつく反響。「シャンプーのポンプに手を掛けプシュッと出したところで、“2回目や”と気づく」「わかります。リンスを3回したことある」「自分とうとうボケてきたなーと思ったけど、みんなそうで安心した」など様々なコメントが。「みんな頭から洗うんだということに気づいて衝撃」「私は顔→シャンプー→コンディショナーつける→体→コンディショナー流すの順で洗う」など体を洗う順番についての議論も生まれ、大きな盛り上がりを見せた。

 「その日もシャンプーを2回してしまって。またやってしまったという悔しさと切なさがあったので、漫画にしました」と漫画投稿のきっかけを語った倉田さん。

「誰か数人でも分かってくれる人はいないかな…という気持ちで描いたものでしたが、結果的に多くの方にあるあると言っていただけてほっとするとともに、皆さん疲れているんだなぁと思いました(笑)。シャワーのときくらい何も考えずぼんやりと過ごしたいですよね」

■周りに仲間がいない妊婦生活、SNSで繋がる仲間たちに「本当励まされていた」

 倉田さんがSNSへの投稿を始めたのは、息子さんの妊娠がきっかけになったという。

「妊娠してから心身共に変化が大きく、今までの人生とまったく違う新しいステージに来た感覚が日々あったんです。妊娠は10ヵ月の期間限定のものであるため、この特別な状態をリアルタイムで記録することによって、いつでも当時の気持ちを鮮やかに思い出せるよう漫画やイラストにしておこうと思いアップするようになりました」

 現在は4ヵ月になった息子さんの育児について、成長の様子や困ったこと、導き出した解決策などをイラスト化して反響を呼んでいるが、「妊娠期間中は特に、Twitterにはたいへんお世話になった」と倉田さんは当時を振り返る。

「妊婦という状態は心身ともにとても特殊な状況であるため、今のこの気持ちを、他の妊婦さんと分かち合いたい!ということがよくあって。周囲に妊婦仲間がいなかったので、SNSで全国の妊婦さんと繋がれたことは私の妊娠生活の良い思い出となりました。

 例えば私はつわりのとき、自分が何を食べたいのかまったくイメージが持てない時期がありましたが、その時期はタイムラインで同じようにつわり中の妊婦仲間さんたちが『〇〇は食べれた!』『△△に売ってる××は食べやすい』などとツイートしているのを見て、食べれそうなものを探すのが日課になっていました。そういう情報交換はもちろんですが、住んでいるところも年齢もバックグラウンドも違う全国の妊婦さんたちが同じ“元気な赤ちゃんに会いたい”という気持ちを胸に、それぞれの場所で日々頑張っている姿には本当にいつも励まされていたんです」

 “SNSによって支えられた”…それは「妊婦仲間が子育て仲間になった現在でも、同じように感じていることだ」と倉田さんは語ってくれた。

■母の存在を語った漫画を投稿「様々な“親への思い”が湧き出てきた」

 倉田さんが投稿した漫画のなかで、その他にも印象的だったのが「母という生き物」という作品。息子さんが生まれてから1ヵ月が経った頃に、遠方の実家から手伝いに来てくれた倉田さんのお母さんのことを描いた漫画だ。倉田さん夫婦の育児に口出しすることなく見守り、家事の面でサポートをしてくれたこと。倉田さんのお母さんが終始嬉しそうに赤ちゃんに話し掛ける姿が、30年前のお母さんと倉田さんの関係を思わせるようで心がキュッとなったことなど、赤裸々に語られている。

「この漫画にも、たくさんのコメントを頂きました。私があのとき感じた気持ちや気づきは皆が同じように感じるものであり、親になるとき必ず通る道のようなものなのかも、とも思いました。私の父と母は私をいつもあたたかく見守り応援してくれていますが、私は今までそれをどこか当然のことのように享受していた気がします。きっとこれからも子育てを続けていくなかで、両親に対しての感謝の念をあらたにしたり、苦労や心配をかけたことを痛感するなど、様々な“親への思い”が湧き出てくるのだろうなと感じています。遅くなってしまいましたが、恥ずかしがらず、少しずつでも返していけたらと思っています」

 最初は記録のつもりで始めたというSNS。倉田さんにとっては、同じ方向に向かって進む“同士”を見つけることができたものでもあり、親の存在の大きさや有難みをあらためて感じる契機にもなるものだった。

「最近は子育ての先輩や同期さん、妊婦の皆さんなどにも私のTwitterを見ていただけるようになり、息子の成長をたくさんの方々に見守っていただいているようで嬉しく思っています。初めての妊娠出産育児は予想以上に毎日が驚きや発見の連続です。この貴重な体験を余すところなく楽しみ心に刻んでいけるよう、これからも絵や漫画という形に残していきたいと思います」