11月15日に発売される人気ゲーム『ポケットモンスター』シリーズの最新作『ポケットモンスター ソード・シールド』(公式略称:ポケモン剣盾 Nintendo Switchソフト)の国内最速メディアプレビュー会が先日、都内で開催。同シリーズを長く手がけるゲームフリーク社の増田順一氏、大森滋氏とポケモン社の広報担当が、近年、斬新な宣伝方法をとる理由や情報発信を少なくする狙いを明かした。

【画像40枚】新公開されたバトル&マップ画像 大きいイワークの姿が…

 同シリーズは1996年に1作目『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されると、子どもたちの間で人気を博し、その後アニメ、漫画、カードゲームなど、さまざまなメディアミックス展開がされ、世界中でヒットしている人気作。その完全新作となる『剣盾』は、シリーズとして8作目の完全新作となる。(※リメイク版などは除く)その先行体験会は1時間ほどだったが、筆者はプレイヤーとなる主人公の住む町から、シリーズでお馴染みの3匹の中から1匹を選ぶ最初のパートナーポケモンを選び、2番道路まで冒険を進めた。

 過去の全シリーズのゲームをプレイしている筆者だが驚いたのは序盤に出会う新ポケモンの数。今までは、過去作で見たことがあるポケモンと新ポケモン両方を序盤に出すことが多かったが、ここまで新しいポケモンを登場させたことに他の記者からも「こんなに出してすごいな…」「今作はどれだけの新ポケモンが登場するんだ」などと驚きの声があがっていた。

 驚くのも無理はない。25日現在で公開されている新ポケモンは計19匹。過去作に登場した姿が違う“リージョンフォーム”のポケモンの数を含めていない数字で、「今までの作品と比べて、広報の段階で事前の新ポケモンの紹介が少ないように思いますが、その理由は?」と質問が飛ぶほど新ポケモンに関する情報が少ないからだ。

 増田氏は「難しい質問ですね…」と苦笑いしながら、ポケモン社の広報担当者は「おっしゃる通り、広報方針として事前に紹介する新ポケモンの数をかなり少なくしています」と隠さず認め「ご自身の目でゲームの中で新しい出会いや発見を楽しんでいただきたい思いがあります」と新鮮味と驚きを体験させたい思いから情報発信を少なくしていると説明。

 その広報方針も近年、ポケモンは斬新な試みをしている。2018年9月にスマートフォンゲーム『ポケモンGO』では事前の告知をせずにメルタンが登場し、金属、ナットのような姿もあってネット上では「バグ?」「謎過ぎて怖い」と驚きの声があがっていた。また、今年9月にはポケモン公式サイトの一部に、モザイクがかかるなどバグが起きたような事態が発生したのち、後日、新ポケモン「ネギガナイト」を発表。さらに今月上旬には、ゲームに登場する森の定点観測と題して24時間WEBでライブ中継する企画「ポケモンライブカメラ」を実施し、ポニータの新たな姿(ガラルのすがた)がチラ見されるなど、ポケモンの紹介に工夫を凝らしている。 この、現実世界を巻き込んだ広報の仕方に増田氏は「自分たちは1匹1匹ポケモンを大事にしていて、プレイヤーはポケモンとの『出会い』を大事にしてほしい思いがある。ポケモンの価値と言いますか、出会った時は『どこにいて、どんな音楽を聴いて、誰と居たか』など、それらすべてを体験として見てほしい。それが1匹1匹におけるポケモンの価値に繋がると思っています」と告白。

 さらに「紹介の仕方を現実世界と一体化することで『リアルなポケモンとの出会いって、こういうことではないか?』と思っています」と話し「グッズなどを販売する店舗『ポケモンセンター』が全国にありますが、そこに行かないともらえないポケモンがいます。これは、盆踊りに行った時の思い出に近くて、誰かと行ったことで記憶とポケモンがリンクする体験が起きるんです」と“記憶に残る”宣伝の狙いを明かした。

 しかし、これらは過去の経験から起きたものだという。現在、ネットを通じて定期的にポケモンをプレゼントしているが「ポケモンをこちらがプレゼントしても、自宅などで受け取ったプレイヤーはきっと、そのポケモンに対して『思い出に残らないだろうな~』と思っていて…。そこから、ポケモンとプレイヤーの出会いから生まれる“思い出”を大事にしたい考えとなりました」と伝えた。

 その想いは今作のシステムに導入されており、ポケモンと遭遇する“シンボルエンカウント”がこれに当たると説明。シンボルエンカウントは、草むら上にポケモンの姿が表示された状態でプレイヤーが接近しバトルが始まるもので、18年11月に発売された『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』ですでに導入され、ユーザーからも好評だったという。

 そして、逆となるのが“ランダムエンカウント”で、これは草むらを歩いているといきなりバトルが始まるシステム。今作で両システムを導入した理由は「ランダムで『どんなポケモンと出会うのか』というワクワク感を失わせるのはよくないと思っています。シンボル、ランダムは別の遊びだとわかりまして、『このポケモンは見たことがない!捕まえたい!』と思うような新ポケモンをシンボルにして、『捕まえたい』動機になるようにしました。逆にシンボルでは出ないポケモンをランダムにすることでワクワク感を高めるようにしました。両立させることで“遊び”を膨らます感じで制作いたしました」と制作の裏側を明かした。

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