映画『勝手にふるえてろ』(2017年)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞、『万引き家族』(18年)で同賞の優秀助演女優賞を獲得するなど、確かな演技力が評価されている松岡茉優(24)。その彼女が『孤狼の血』(18年)や『麻雀放浪記2020』(19年)で知られる白石和彌監督と初めてタッグを組んだ『ひとよ』が11月8日に公開を迎える。3兄妹の末っ子でスナックで生計を立てる園子を演じる松岡は、実際にスナックを訪れて感じたリアルな演技を披露している。白石監督は「『松岡茉優はすさまじい』といろいろな人から言われました」と絶賛するなど、彼女の演技の魅力に迫っていく。

【場面カット】劇中では佐藤健&鈴木亮平と3兄妹に

 松岡は、08年におはガールとしてテレビ東京系『おはスタ』に出演して本格的にデビュー。13年にはNHK連続テレビ小説『あまちゃん』に出演、16年に大河ドラマ『真田丸』で、堺雅人が演じた主人公・真田信繁の正室・春を演じるなど着実にキャリアを積み上げている。さらに、11月24日放送予定の『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』では29歳のワカメを、現在公開中の映画『蜜蜂と遠雷』では主演のピアニスト・栄伝亜夜を演じるなど、役者としての幅も広げている。

 その彼女が本作では、主人公で次男・雄二役の佐藤健、夫婦関係に悩む長男・大樹役の鈴木亮平と兄妹に。松岡が演じる園子は、美容師の夢を諦めて、地元のスナックで働く長女で、3兄妹の中では唯一15年前に姿を消した母・こはる(田中裕子)の帰りを心待ちにしている存在でもある。

 園子のキャラクターにあわせ『蜜蜂と遠雷』で見せたきれいに整えられた黒髪ヘアから一転、茶髪に染めて毛先はブリーチをかけるなど垢抜けない雰囲気を作り上げた。さらに「スナックのフィールドワークをしたい」と自ら提案し、スナックで働く女性役に本気で向き合った。

 佐藤は「念願かなって共演できた」、鈴木も「初共演なのに最初から安心感があった」と信頼を寄せる。現場では共演者やスタッフと気さくにコミュニケーションをとり、ムードメーカー的な存在に。スタッフからは松岡が現れるだけで「その場の空気が変わることもあり、その姿が人懐っこい園子のキャラクターと重なった」という声もあがる。

 松岡は、母親役の田中との共演について「湧き上がってくる感情が、演技としてのものなのか、自分のものなのかわからなくなることがあった」と振り返り、刺激を受けた様子。実力、人気を兼ね備えたキャストからも称賛を受けた女優・松岡茉優が本作で見せる演技力に注目したい。