俳優の斎藤工が小児外科医・西條命(さいじょう・みこと)を演じるドラマスペシャル『最上の命医 2019』が、テレビ東京系できょう2日(後9:00~11:09)に放送される。

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 同ドラマは、『最上の命医』『最上の明医 ザ・キング・ オブ・ニート~』(取材・原作:入江謙三、漫画:橋口たかし/小学館・週刊少年サンデーコミックス)を原作に、2011年1月期に放送された連続ドラマの続編スペシャル第3弾。天才小児外科医・西條命(さいじょう・みこと)が、子どもたちを救うために全力で挑み、小さな奇跡を起こしていく。

 年間、何本ものドラマや映画に出演している斎藤にとって、「西條命」役は演じるたびに思いの深まる特別な存在のようだ。

 「3・11をまたいでっていうこともありましたし、主演だからってこと以上に意味をもっている作品でもあります。連続ドラマの時に描かれましたが、命は自ら病に冒されていたにも関わらず、他者の未来のために迷いなく自分の優先順位を譲れる人。素晴らしい精神ですよね。こういう人がいたらいいな、という要素を集めて形成されたキャラクターだと思います。

 でも、漫画でしょ、ドラマでしょ、彼みたいな人は現実にはいないでしょ、と言い切るんじゃなくて、西條命だったらこうするだろうな、ということの一部でも、一瞬でも自分ができることがあれば、それをしよう、という何かをジャッジする際の物差しになっているかもしれません。初めて演じてから8年も寄り添っているので、僕の中にも命の要素が息づいているというか、僕自身が掲げる目標になっているなと感じます。

 命と比べると、僕自身は迷走している感があるのですが(笑)。人は年齢を重ねるにつれ、だんだん落ち着いてきますよね。でも、10年、20年先のことを考えると、今は落ち着く必要はないのかな(?)とも思います。恥をかいてもケガをしても、まだまだすそ野を広げていきたいと思っています。初めて命を演じた頃より“守りに入らない”という“守り方”を手に入れようとしている最中です」。

 この8年間、公式ホームページの掲示板には書き込みが絶えることがなく、根強いファンにも支えられているのも本作の特徴だ。

 「このドラマがきっかけになって、実際に医療の現場に立たれている方がいらっしゃったり、スタッフの7歳のお子さんが命先生のことを知ってくれていたりと、若い世代がしっかりとメッセージをキャッチしてくれているのが、何より価値があるな、と感じています」

 今作では、千葉・房総の田舎町にある診療所で臨時医師として常駐しながら、インターネットを通じて難病の子どもたちの相談を受けている誘拐、脱獄、病院テロ!? さまざまな事件が起こり、命はかつてない極限状態で最難関のオペに挑むことに。

 「シリーズ史上最大のサスペンスフルな展開になっています。岸谷吾朗さん演じる佐久間の抱えているものが、親子の問題だったり、お子さんが被害者になってしまう事件だったりと、今、世の中で起きていることとリンクしているので、僕としても想像していた以上に背筋を走るものがありました。

 僕自身、そんなに余裕はなかったのですが、岸谷さん、田中麗奈さんや永井大さん、シリーズ全作品に出演している泉谷しげるさんなど、皆さん向かっている先は一緒だな、と思えたことで救われました。この作品は必ずいいところに着地するじゃないか、と思っていましたし、いままでで最大に世界に没頭できた作品なので、お付き合いいただけたら、と思います」

 今作を観れば、「また会いたい」と思わせてくれる西條先生。当の斎藤は少し違った見方もしている。「僕の中でこのシリーズはここで終わっていいというピリオドが見えない。オペの仕方が変わったり、かつてなかった器具が現場にあったり、撮影現場でも近年の医療・医学の進歩を感じます。一方で、小児外科が抱える問題が解決しない事例としてあり続けている、ということも実感するんです」。