日本はもちろん、世界規模でプラモデル市場をけん引する『ガンダムプラモデル(ガンプラ)』。その人気の理由は、100人いれば100通りの“ガンプラ道”があり、モデラーたちの妄想や願望を実現しうる、その“自由度”にあるだろう。そこで今回、ファーストガンダムのアナザーストーリーを妄想したSOWA氏(@akiaki19815656)と、「裏方のザクが好き」と公言するEXAM氏(@Examsystem116)を紹介。閃きを具現化する原動力について聞いた。

【写真】泥臭いザクこそ“男のロマン”!みんな大好きジオン水泳部、セイラの美尻、ファーストのラストなど名シーンをジオラマ再現!!

■ファースト世代はニヤリ!? 「小説版ガンダム」のアムロとセイラの関係をジオラマに

 ファーストガンダムの主人公、アムロ・レイとセイラ・マスを題材にしたジオラマ作品がSNSで話題となったSOWA氏。ガンプラに目覚めたキッカケを聞くと、「カスタムの自由度と、空想世界での広がりに魅了された」と即答。ただ、想像を膨らませて形にしていく過程で、「結局のところアレやコレやで全く違う形に完成してしまうことも多いです。そんな風に“結果オーライ”で完成しちゃうのも、ガンプラの魅力ですね」と笑った。

 もちろん、ジオラマを制作は楽しさばかりではない。技術的にも多くの“壁”にぶつかってきたと言う。

 「未だに課題となっている部分ですが、色のベースとなる下地色が私なりのこだわりであり『壁』になっています。それは、下地色で全ての見た目のバランスが決まってしまうと思うからです。特にシリコンバリアー塗装という方法や、独自方法の捲り塗装などで作品を仕上げることが多いため、常に下地色にはこだわりを持っています」

 では、その「壁」をどうやって突破したのだろうか。SOWA氏は「ガンプラ以外にも、様々な模型に陰影やグラデーション、下から捲れる錆び表現などを繰り返しながら行い、今現在の技法になりました」と回答。他のジャンルにも手を広げることにより、そこから得られる技術的な向上やインスピレーションを大事にしているようだ。

 そして、そうした模索と努力が実ったのが、代表作『One year war』(1年戦戦争)なのだそう。

 「シーン的にはファーストガンダムにこのような場面はなく、あくまで私の創作となります。1年戦争の最終戦でこんなシーンもあって良いかな、と思って制作しました。これまで静岡ホビーショウなどに展示したところ、ファースト世代の方々や海外の方々にまで声を掛けて頂きました。特に、富野由悠季監督の小説版「機動戦士ガンダム」を読まれている方など、ニヤニヤしながら見ていましたね(笑)」

 当初は、コアファイターを格納庫で整備しているジオラマにする予定だったが、余りにも普通過ぎたのでコンセプトを変更。それも「“閃き”だった」と強調するSOWA氏。「このように、一手間加えるだけや、ちょっとしたアイデアで“自分だけのガンプラ”が完成します。そんな、無限の発想を叶えてくれるのがガンプラの魅力です」

■キットの配置を考えていると“アイデアの連鎖反応”が起きて楽しい

 土の匂いや肌触りを感じられそうなザクのジオラマを制作するEXAM氏。好きな作品を聞くと、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』と納得の回答。その理由として「陸上を走り回る泥臭い戦いや、主人公がニュータイプではなく凡人なところが好きです」と力説した。

 EXAM氏にジオラマ制作におけるポイントを聞くと「配置検討」だと教えてくれた。

「私は最初に箱やボトルといった代替品で配置を検討し、建物などの構造物を制作してある程度形になったらもう一度配置を検討します。この『作っては配置検討』のくだりを何度も繰り返すのですが、その度に今まで頭の中になかった色や構造物のアイデアが湧いてきます。それのプロトタイプを作って配置するとさらに新しい案が浮かぶ…という連鎖反応がとても楽しいです」

 また、そうしたキットの配置検討と同様に重要なのが、MSのキットを引き立てる情景描写にあるのだとEXAM氏は説明する。「対象のモビルスーツが一番かっこよくなる情景を目指しています。例えば、ザクならば一騎当千のような活躍よりも偵察や補給のような裏方の働きの方が似合います。一方、ダブルオーガンダムのような主人公機なら戦っている情景の方がハマるでしょう。このように、それぞれのモビルスーツに合った情景を表現したい」

 そんな風に“情景描写”へのこだわりを語る氏にとって、ぜひ作ってみたいジオラマの風景があるのだそう。

 「アメリカの都市・シカゴには『L』と呼ばれる高架鉄道がビルの隙間を縫うようにして張り巡らされています。これを舞台にしたジオラマを作ってみたいですね。ビルを作るのは手間がかかるのでそこがネックですが…(苦笑)」、そんなEXAM氏の次回作に期待したい。

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