500色ものバラエティ豊かな色えんぴつがSNSを賑わせている。『500色の色えんぴつ TOKYO SEEDS』と名付けられたその商品は、赤青緑といった基本の色名ではなく「ほやほやのすずめ色」「デート前夜のつめの色」「おばちゃんのお気に入りの羽織ものの色」といった、ユニークな名称が数多く存在。この商品が誕生した背景を、販売元でもある株式会社フェリシモ広報部の市川美幸さんに伺った。

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■社長の名付けがきっかけ 500色全てが「唯一無二」の名称に
 
「発売されたのは1992年のことです。当時、コロンブスのアメリカ大陸発見から500周年を記念し、社員全員で“500の商品企画”を考え、その中から選ばれた案でした。なぜコロンブスのアメリカ大陸発見が関係あるのか……と疑問に思われるかもですが、『新大陸を見つける』というワクワク感を商品に込めるという意味合いがあります」

 実際に、この色えんぴつのネーミングは、どのように考え出されているのだろうか。

「最初に社長が、とある1色に『鯉のぼりの泳ぐ空』と、これまでのカラーには無い名称を付けたのがきっかけです。それにならい、担当者により、長い時間をかけて名づけられていきました。いわく、『その頃は何を見ても、色えんぴつの名前で考えていた』という涙ぐましいエピソードを聞いています」

 発売されて以来、何回かのリニューアルを果たし、現在は“第4世代”になったという500色の色えんぴつ。これまでは「色名」だけだったが、今回からURBAN(都会)などといった「テーマ」をいくつか考え、高層ビル、タクシー、働く人などそこからイメージされる名称を取り入れた。海外に販売することも想定し、英語名が付いているのも特徴だ。

■ネーミングを考え直すことはしない 「直感」が重要

 それにしても、500もの名前を考え出すには相当な時間がかかったと容易に想像できる。どれほどの期間がかかったのか、またその中で思い入れの深いカラーはあるのだろうか。

「すべての色を考えるまでは、約1年半かかりました。担当によりますと、インスピレーションを大切にしたいとのことで“何回も考え直す”ことは敢えてしていないそうです。思い入れのある色と担当の思いを以下にご紹介します」

「STARLESS SKY」多忙な星たちに休息を。 静寂の空色
星が出ていない状態を「星の休息」と表現できたところが気に入っています。
人ではなく星を主人公にすることで、ふだんとは違う夜空を思い浮かべていただけたらいいなと思いました。

「FLAWLESS FORM」子どもたちの砂場の芸術。完璧なフォルムの泥団子色
ブラウン系の色が続くセットの中で、「FLAWLESS FORM~非の打ちどころのないかたち」という意味から、「子ども」「泥団子」という公園の砂場でよく見る情景にたどり着きました。きっとこの泥団子は、子どもにとっては完璧なフォルムだったはず……。

「FESTIVAL FANATIC」歯に衣着せぬ金曜深夜のガールズトーク色(夜の女子会)
蛍光色ですが、キャッキャしながら、恋の話や日ごろの愚痴も楽しく笑いとばす、夜の女子会の妙なテンションを思い浮かべました。

 これ以外にも、「どの色も自分が考え抜いたものなので、愛着があります」とのこと。担当者がふとした瞬間、思い浮かんだネーミングを大切にすることで、叙情的かつユニークな名称が誕生している。

■職人の力で複雑な色味を出すことに成功

 また、ユニークな名称以外にもこだわった箇所がある。

「“ジャパンメイド”であるところです。色芯も、本体の加工も全て国内で行いました。日本の職人さんの熟練技によって、微妙な色の差異が再現されています。ほかにも丸みのある太めの角柱型、マット塗装、箔押し、約3.5ミリの太芯というのも、かなりの熟練技がなくては制作できません」

 最後に、これだけの種類がある色えんぴつを、どのように利用してほしいか聞いてみた。

「『500色の色えんぴつ TOKYO SEEDS』という商品名には、『東京で生まれた500色のしあわせの種から、持つ人それぞれの色の花を咲かせてほしい』という願いが込められています。ふつうにご使用いただくのはもちろん、飾って眺めて楽しまれる方もいらっしゃれば、お孫さんに喜んでもらうために毎月お買い上げくださる方もいろいろです、色同様、それぞれの楽しみ方をしていただきたいと思っています」

 ちなみにこちらの商品だが、500色を25回に分け、20色ずつ届ける販売形式を取っている。好きなテーマやカラーリングを手元に置いていると、生活が少し華やかになるのでは。