国産プラモデルが誕生してから60余年。これまでプラモシーンをけん引してきた「ガンプラ」の中でも、ジオラマというジャンルはモデラーたちの“自由な発想”を具現化する舞台として愛されている。今回紹介するモデラーは、ファーストガンダムのアナザーストーリーを妄想したSOWA氏(@akiaki19815656)。“閃き”を重視するというジオラマ制作の極意を聞いた。

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■今までにない“閃き”があると、モデラーとして喜びを感じる

――SOWAさんがガンプラの魅力に目覚めた理由は?

【SOWA】カスタムの自由度と、空想世界での制作発想が私に合うので、ガンプラに魅了されました。基本、脳内で想像を膨らませていて、ソレを形にするわけですが、結局のところアレやコレやで全く違う形に完成してしまうことも多いです。そんな風に“結果オーライ”で完成しちゃうのも、ガンプラの魅了ポイントかと思います(笑)。

――ガンプラ制作をするなかで、一番の「壁」は何でしたか?

【SOWA】未だに課題となっている所ですが、色のベースとなる下地色が私なりのこだわりで有り「壁」になっています。それは、下地色で全ての見た目のバランスが決まってしまうと思うからです。特にシリコンバリアー塗装という方法や独自方法の捲り塗装など、塗装で作品を仕上げることが多いため、常に下地色にはこだわりを持っています。

――その「壁」はどうやって突破したのでしょうか。

【SOWA】ガンプラ以外にも、様々な模型に陰影やグラデーション、下から捲れる錆び表現などを繰り返しながら行い、今現在の技法になりました。とはいえ、まだまだ発展途上で突破口が見えていません(苦笑)。

――プラモ制作に苦しむ一方で、SOWAさんがガンプラ制作でカタルシスを感じる瞬間というのは?

【SOWA】そうですね、キット単体では表せない表現力をジオラマにして、周りの情報量を増やす事で、人とは違う模型が出来上がっていく過程が、カタルシスを感じる瞬間です。

――それでは、これまでに制作した中で、最も好きなジオラマはなんでしょうか。

【SOWA】アニメ『装甲騎兵ボトムズ』に登場するスコープドックです。この作品に関しては、自分がやりたい事を全て詰め込めて、ウドの街(『ボトムズ』に登場する架空の街)を自分なりに再現できたと自負しています。

――ジオラマのシチュエーションなど、どんな時に発想が浮かびますか?

【SOWA】実は、ほとんどがノープランで制作が始まり、発想よりも“閃き”で組み立て、製作しながらシチュエーションを考える事が多いです(笑)。なので、今までにない“閃き”があると、モデラーとして喜びを感じます。

■「小説版ガンダム」のアムロとセイラの関係をジオラマに?

――SOWAさんのジオラマといえば、代表作『One year war』があります。これはファーストガンダムの主人公、アムロ・レイとセイラ・マスを題材にしていますね。本作のテーマは?

【SOWA】テーマは『One year war』で、日本語訳では「一年戦争」です。

――このジオラマのイメージを教えてください。

【SOWA】シーン的にはファーストガンダムにこのような場面はありません。なので、あくまで私の創作となります。1年戦争の最終戦でこんなシーンも有れば良いかな、と思って制作しました。

――本作を作ろうと思ったきっかけは?

【SOWA】当初、コアファイターを格納庫で整備しているジオラマにする予定でしたが、余りにも普通過ぎたのでコンセプトを変更しました(笑)。これも“閃き”ですね。

――本作でこだわった部分を教えてください。

【SOWA】アムロとセイラのフィギュアの制作です。付属しているフィギュアのキットを解体して、不自然の無い形に作る事に専念しました。苦労したのはパイロットスーツがピチピチの筋肉質だったので、造形を作り変えるのがかなり大変でした。

――本作の反響はいかがでしたか?

【SOWA】静岡ホビーショウなどに展示したところ、ファースト世代の方々や海外の方々にまで声を掛けて頂きました。特に、富野由悠季監督の「小説版・機動戦士ガンダム」を読まれている方など、ニヤニヤしながら見ていましたね(笑)。

――本作の気にいっている部分は?

【SOWA】不自然に見えないよう、コアファイターを空中で固定するのは私なりに気に入っている部分かと思います。

――最後に、SOWAさんにとってガンプラとは?

【SOWA】一手間加えるだけで“自分だけのガンプラ”が完成します。そんな、無限の発想を叶えてくれる“懐の深さ”を持ったプラモデルです!

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