この夏、大きな話題を集めたドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系/日曜 後10:30)。2期連続ドラマとして4月にスタートした本作は、複雑な展開ながら毎話のように繰り広げられる衝撃の展開、登場人物たちの濃いキャラクターなどから徐々に人気に火が付き、9月8日の最終回では自己最高の平均視聴率19.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を記録し、有終の美を飾った。そんな本作のヒットを語るうえで見過ごせないのが、Twitter上での盛り上がりだ。ネットの普及によってドラマの楽しみ方が多様化していると言われて久しいが、『あな番』はまさにそれを顕在化すると共に、また新たなムーブメントを生み出したと言える。そこで、ツイート数などのデータから、「考察視聴」の盛り上がりを検証する。

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◆ツイート数は初回から終盤にかけ6倍に推移、ヒットの起点は第10話

 本作は、一棟のマンションを舞台に、原田知世&田中圭演じる主人公の新婚夫婦、そして住民たちが巻き込まれていく“交換殺人ゲーム”を描いた物語。日本テレビでは、1994年10月期の『静かなるドン』以来、25年ぶりの2期連続ドラマとなり、企画・原案は小説家・音楽プロデューサーとして活動が多岐に渡る秋元康氏が担当した。

  グラフ1は、Twitter上での『あな番』放送日の関連ツイート数の推移をまとめたもの。1話(4月14日)と最終回前の19話(9月1日)のツイート数を比較するとその差は6倍。主人公の1人が毒殺されるというショッキングな展開を迎えた第1章(4月期)終幕の10話を起点に、第2章(7月期)『~反撃編』からは飛躍的にツイート数を伸ばしている。

 「放送毎に右肩上がりを続けていますが、実は良い意味でかなり稀な例なんです。一般的には、初回にツイートの山ができて話数を重ねるごとに減少。最終回に再度山ができるものの初回時を上回ることはなかったように思います。加えて注目したいのがツイートされる曜日(グラフ2)。通常は“放送曜日だけ”に集中するパターンが多いのですが、『あな番』は放送翌日の月曜日にもツイートが目立ちます」(馬場俊光氏/Twitter Client Solutionsメディア&エンターテイメント業界担当 クライアントアカウントマネージャー)

◆衝撃&複雑なストーリーが自然と視聴者にアクションを起こさせた

 第2章から飛躍的に盛り上がり、本作が世の中ゴトになった要因は、やはり「考察ツイート」が大きく関連していると馬場氏。Twitterで話題になったドラマの代表作としては、TBS系『逃げるは恥だが役に立つ』やEX系『おっさんずラブ』などが挙げられるが、これらでは出演者や登場人物に関する言及が主だったという。『あな番』はそれに加え、視聴者自らが事件を“深掘りする”というアクションを起こしている。

「『あな番』と一緒にツイートされている共起ワードを見ると、目立つのはやはり『考察』という単語です。Twitter上では、『#あな番考察』を用いて利用者の方々がそれぞれの考えを述べて考察をまとめたツイートが多く投稿されており、#あな番考察をひたすらツイートする“考察アカウント”の存在も多く見られます。犯人は誰か?についてはもちろん、今後の展開予想や伏線についてなど、その内容はさまざま。本編やHuluのオリジナルストーリーに加え、Twitterの#あな番考察を観るというスタイルが、ファンの方々のなかで流れとして出来上がっています。共起ワードには、『やばい』『すぎる』『めっちゃ』などの強調語も多く、ファンの方々の熱量が高いことも見て取れます」(馬場氏)

 考察ツイートに関しては、サスペンスやミステリー作品であれば見られる事象ではあるものの、ここまで表面化した例は稀有だという。

「『あな番』を通してドラマ×Twitterの相性は抜群だなと改めて思いました。今回は放送後に利用者が内容を反芻、後日改めてツイートするという動きが見られましたが、ドラマ×Twitterの“リアルタイム性”だけでない楽しみ方が顕在化してきているなと感じます」(馬場氏)