Twitterやpixivを舞台に、どこか憎めないまんまるキャラの、ほのぼのとした“日常系4コマ”を描く漫画家・がい子くじん氏(@gaiko_kujin)。本人の実体験を元にした“あるあるネタ”は、オタク趣味に少し興味がある人なら思わずクスっとしてしまうものばかり。Twitterのフォロワー数も8.4万人に上り、漫画がアップされれば即座に「いいね」が数百、数千と膨れ上がっていく人気っぷりだ。そんな氏に、SNSで笑いを生み出すための“創造”の源泉や、ギャグ漫画を描き続けることの難しさについて聞いた。

【漫画】オタク趣味の“あるある”ネタにほっこり…。SNS民がハマった珠玉の4コマを厳選披露!

■4コマ漫画家の敵は、漫画・アニメ・映画・SNSといった“癒され誘惑”

――ギャグネタを描き続けるのは大変かと思います。どのようにしてネタを探しているのでしょうか。

【がい子くじん】日常系のネタはほぼ実体験なので、普通に生活していると勝手にネタが入ってきます。描くペースは1日1本くらいで、描く手間はあまりかかっていませんが、やはり話を考えるのが9割くらいかかりますね。

――ギャグ系の4コマ漫画を大量生産する難しさは何でしょうか。

【がい子くじん】とにかく集中力です。1人での長時間の作業になるので色々な誘惑に打ち勝つ集中力が大事だと思います。ゲーム、漫画、アニメ、映画、SNSといったたくさんの“癒やされ誘惑”があります。それらを一旦切り離せる精神力がないと、漫画を創作するのは難しいでしょう。

――がい子くじんさんの漫画のテーマは?

【がい子くじん】『ほのぼのほっこりエッセイ漫画』です。今の時代やっぱり“癒し”が必要だな…って思うので、少しでも自分の作品で癒される人がいるといいなって思います。

――時に殺伐とするSNSですが、がい子くじんさんの作品を見ると癒されます。自身の作品について“強み”は何ですか?

【がい子くじん】単調な絵なので、同じコマをコピーして貼り付けても「コピペしてる!」ってバレにくいところですかね。

――なるほど、コピーギャグといえばギャグ漫画界の鬼才・漫画太郎先生が有名です。自分もがい子くじんさんの作品は沢山見ていますが、コピペをしているのは気づきませんでした。

【がい子くじん】なんでバレないんだろうと常々思ってます。

――ネタはオタク界隈の風刺だったり、ちょっとエッチな話題だったりパンチのあるネタが多くありますが、不思議と嫌な気分になりません。

【がい子くじん】自分の漫画は、他のマンガ家より“癒し力”があると思います。それと、風刺を利かせつつも、他人を傷つけない作品作りを心がけています。

――他人を傷つけない作品を心がけるようになったキッカケを教えてください。

【がい子くじん】気付いたら今の作風になってたので、キッカケとかは特に無いですね。加えて言うと「絶対誰も傷つかない」というのは難しいと思っているので、「なるべく」傷つけない漫画になるようにしています。

――風刺を利かせながらも嫌味にならないのは、このキャラクターの味ですね。ちなみに、主人公キャラはどうやって誕生しましたか?

【がい子くじん】学生時代、学友同士でリレー漫画をやっていて、その際に適当に描いたキャラでした。当時、名前は特に決まってなかったので、仲間内では「いつものあいつ」と呼んでいました。最初はもっと色々鼻とか耳とかがあったんですが、パーツを省略していくうちに今のアバターになりました。

■かつては不条理な漫画やガッツリ下ネタも?「すっかり牙が抜けちゃいましたね」

――Twitterやpixivで作品を公開するようになった経緯を教えてください。

【がい子くじん】4コマを投稿するようになったのは「決まったお題の4コマを1時間で描く」というSNSでの企画を見つけたからです。それまではまともに4コマを描いた事がなかったので、そこで活動する人と一緒に投稿するようになりました。その頃は不条理なものや下ネタばかり描いていて。ま、そんな自分も今では癒し4コマばかりで、すっかり牙が抜けちゃいましたね。

――SNSやpixivで作品を公開するメリットというのは?

【がい子くじん】これらのサービスは反応がすぐ貰えるので、モチベーションの向上に繋がりやすいです。ただ、閲覧数などの数字は水物で、タイミングや運もあるので反応の良し悪しに関わらず「勘違い」を起こしやすいです。運悪く「勘違い」を引きずると延々とスベり続けるような悪循環が起きる可能性があります。おそらくこの点こそ最大のデメリットだと思います。……真面目な話をしてすいません。

――いま勘違いとおっしゃいましたが、SNSの評価や「いいね」の数は気になりますか?

【がい子くじん】めちゃくちゃ気にしますし、後続の投稿に少なからず影響があります。その時の空気感とでもいいますか、続投したり方向転換したりする場合があります。

――SNSにおける“世論”や笑いの“流行り”にアンテナを立てているわけですね。

【がい子くじん】前述の続きになってしまいますが、その場の自分の決断で漫画の方向性を軌道修正しやすいのも、ネット上に作品を公開するメリットになるでしょう。もちろん軌道修正が失敗するデメリットもありますが。

――最後に、がい子くじんさんのこれからの目標を教えてください。

【がい子くじん】 来年までに5キロ痩せる!!!