新感覚音楽朗読劇シリーズ「READING HIGH」の第4弾公演「El Galleon(エル ガレオン)」が、2020年2月7~8日に東京国際フォーラム・ホールAで上演される。シリーズすべての脚本・演出を手掛ける藤沢文翁氏に最新作の見どころを聞いた。

【写真】第三弾公演『Chevre Note ~シェーヴルノート~』のキャスト

◆生演奏とテクノロジーを駆使、豪華キャストによる熱演が話題

「READING HIGH」シリーズは劇作家・藤沢文翁氏とソニー・ミュージックエンタテインメントによる、“3.5次元”エンタテインメントを目指すプロジェクト。生演奏とテクノロジーを駆使した五感を刺激する演出と豪華キャストによる熱演が話題を呼び、過去3公演ともに瞬く間にチケットが完売する現象を起こした。

 ストーリーは藤沢氏によるオリジナルで、「El Galleon」の下敷きとなるのは近代イングランドの呪われた幽霊船伝説。イギリスの英雄・ネルソン提督の艦隊と、100年前に死んだはずの海賊たちが繰り広げる妖しくも美しいダークファンタジーだ。

 キャストは大塚明夫、中村悠一、梅原裕一郎、鳥海浩輔、蒼井翔太、高垣彩陽、諏訪部順一。同シリーズがロングラン公演できない理由を、藤沢氏が「これだけのキャストを長期で押さえたら、アニメ業界が悲鳴を上げるでしょう」と語っているように、いずれも日本の声優界をリードする人気の実力派揃いだ。

 英国朗読劇を独自に発展させた脚本が藤沢氏のスタイルだが、日本の声優文化への敬意も深く、自身の作品に多く起用している。

「ボイスアクターは世界各国に存在しますが、日本ほど技術も表現力もスキルフルな声優が充実している国はほかにありません。今回ご出演いただく声優さんは、何度も一緒にお仕事してきた方々ばかり。役を当て書きしたり、あるいは『最近いい人役が続いているな』と思ったので、諏訪部さんには、第3弾公演『シェーヴルノート』では悪役をやってもらったりと、『この声優さんにこんなセリフを言ってもらいたい』という欲求が満たせるのもオリジナルの面白さですね」

◆板の上と客席の境界線を壊す特効などを駆使した演出

 第3弾公演では全国34ヶ所ほか、台湾・香港でもライブビューイングを実施。1万4000人が同時に公演を目撃した。第4弾公演のライブビューイングは未定だが、藤沢朗読劇の醍醐味を堪能できるのはやはり劇場だ。特殊効果をふんだんに盛り込んだ演出を得意とする藤沢氏だが、「READING HIGH」ではSMEとのタッグでさらに壮大なスケールの舞台を創り上げている。

「演出で最も大切にしているのは、お客さまに物語の中に入った感覚になっていただくこと。READING HIGHで擬似的な炎を客席に打ったり、メッセージを書いた紙を客席に降らせたりしてきたのも、すべては板の上と客席の境界線を壊すことが目的でした」

 また朗読劇としては異例の2000~3000人収容の会場で上演されてきたREADING HIGHだが、今回はさらに広い5000人キャパの東京国際フォーラム・ホールA。果たしてどんな世界に連れていってくれるのだろうか。

「ホールAでの演出は『夏目友人帳』の朗読劇をはじめ何度も経験があるので、勝手知ったるという感じでではありますが、オリジナルは初めてなのでとても楽しみですね。2階席まである立体的なホールなので、3D的な演出も面白そうだなとイメージしています。何よりホールAは音響が素晴らしい。今回のバンド編成はかなり大掛かりで、しかも海賊がテーマなので、バグパイプなどケルト楽器や合唱を盛り込んだ劇伴をご用意しました」

◆「藤沢朗読の醍醐味は、朗読劇の概念を再構築したスタイル」

 具体的な演出プランなど、これから固まっていくと思われるが、現段階でも藤沢氏の発言を聞くだけでも否応なく期待が高まる。実際、藤沢朗読劇の常連で、新作への出演が発表された諏訪部順一も、以下のように熱いコメントを寄せている。

「藤沢朗読の醍醐味は、朗読劇の概念を再構築したと言っても過言ではないそのスタイル。ト書き的説明台詞を廃した脚本はもとより、朗読陣の演技と文字通り共演する形で物語を織り成していく生演奏、想像力を加速させる美術、照明、特効などの視覚体感的演出。最新作も脳に心にリッチな刺激満載です!」

 今回もプレミア公演となることは必至。朗読劇の概念を覆す藤沢ワールドは舞台ファン、声優ファンならずとも要注目だ。