サザンオールスターズやサカナクション、星野源などが所属するレコード会社・ビクターエンタテインメントは9月20日、同社直営の新ライブスペース「Veats Shibuya(ビーツ・シブヤ)」をオープンする。多彩な文化を生み出してきた渋谷から、今、どのようなエンタテインメントを発信してくのか? オープンに先駆けてお披露目された施設についてレポートしながら、“新たな文化を作る”その仕組みに迫る。

【写真】室内には木目調を採用し、温かみのある雰囲気に

◆ライブ初心者でも親しみやすい、木を基調とした明るく温かい内装

 Veats Shibuyaは、8月23日に開業した商業施設・グランド東京渋谷ビルの地下1階と2階に位置する。渋谷駅前のスクランブル交差点から渋谷センター街を直進して約5分と、アクセスに優れた立地だ。

「自分たちのベニューを持つなら渋谷という想いがありました。今、渋谷は再開発で人の流れが変わりつつあります。2020年を迎える絶好のタイミングでオープンさせることができて良かったと思っています」(平原雅彦氏/ビクターエンタテインメント カンパニーエグゼクティブ 経営企画部長)

 Veats Shibuyaの特長は、観客と出演者、それぞれに優しい作りになっている点だ。まず観客目線では、専用入口での光の演出やカフェラウンジのカウンターに設置されたRGB LIGHTなど“インスタ映え”する演出でワクワク感が高まるうえに、300個のロッカー&クローク、完全分煙など実用面での配慮も嬉しい。木を基調とした内装も、全体の印象を明るく温かいものとしている。

「最初に考えたことは、初めてライブを観に来るお客さまに“ライブハウスは暗くて怖い”というイメージを払拭する作りにしようということでした。また、DJブースを設けたカフェラウンジでは軽食も提供し、ゆくゆくはファン同士のコミュニティ空間や、さらにはラウンジ自体を有効活用してVeats Shibuyaをエンタテインメントスペースにしていけたらと思っています」(江島武志氏/ビクターミュージックアーツ ライブ事業部長)

◆音響、照明など機材面にこだわり アイデア次第で使い方いろいろ

 もちろん、出演者側への配慮も万全。コンパクトながらも奥行きのあるステージ、ライブ配信専用スペースの確保、最大4部屋を使える楽屋に加え、搬入口とステージを直結するエレベーターが設置されており、機材の搬入・搬出を実にスムーズに行うことができる。

「機材面にもこだわり、音響設備は野外イベントにも対応できるクラスのシステムを導入しました。照明もこの規模の会場ではトップクラスの数のLEDムービングライトを設置しています」(江島氏)

 さらに、PAブース後方や地下1階のエリアの一部には小型スピーカーが設置されており、デッドスペースなく、フロアと同じサウンドを届けてくれるという細かな配慮もされている。また、ステージ後方にはハイコントラストのプロジェクタースクリーンが常設されており、ライブビューイングや映画の“絶叫上映”といった使い方も可能だという。

「ここからいろんなエンタテインメントや情報を発信しながら、願わくば、逆にいろんな情報が集まる場になってくれたら良いなと思います。また、勢いのあるアーティストに『まずはここを目指そう』と言ってもらえる、そういう場所へ醸成したいと考えています」(平原氏)

 会場のサイズ感としては700人クラスといったところ。使いやすそうなサイズ感や立地も相まって、すでに多数の企画が持ち込まれているという。新しい都心のエンタメスポットとして、ここVeats Shibuyaから新しいカルチャーが生まれ、新しい才能が開花していくことを期待したい。

 なお、オープニング企画として、9月20日から『Veats Shibuya OPENING EVENT』が開催される。

文/布施雄一郎