毎年「敬老の日」に向けて公募されている『シルバー川柳』。その入選20作品が、今年も公益社団法人・全国有料老人ホーム協会により発表された。『シルバー川柳』といえば、高齢者ならではのユニークな“自虐ネタ”がおなじみ。「メルカリで 誰も買わない ワシの服」(角森玲子 島根県・51歳女性/自営業)など、最近の流行を取り入れたユーモアたっぷりの“シルバーあるある”作品が集まった。

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 2001年に始まった『シルバー川柳』も、今年で19回目。毎年、高齢者はもちろん、若い世代にもSNSなどを通して広まるなど、大きな話題となっている。今回、寄せられた川柳の応募総数は、8,793句と昨年よりも約1,000句も増加。応募者平均年齢は67.7歳で、最年長は97歳(男女ともに)、最年少は4歳(女児)。高齢者を中心としながら、幅広い世代からの応募があった(公募期間:2019年3月1日から6月9日)。

 今回、高齢者ならではの自虐目線の中に、デジタルやAI(人工知能)などの社会の流れや時事ネタを詠んだ作品が目立った。前述の“メルカリ”のほかにも、「徘徊のルートAIにも読めず」(荘子隆 宮崎県・67歳男性/会社員)、「既読スルー いいえ只今 格闘中」(福永敬子 北海道・52歳女性/会社員)などが入選。ほかにも、「グレーヘア」といった流行語や、人気のテレビ番組にちなんだ「ボーっとして テレビの中から 叱られる」(ツダアヤコ 都・56歳女性/主婦)という作品も。新しい社会の動向を敏感に捉えて作品に落とし込んでいるあたり、まさに“アクティブシニア”を体現していると言えるだろう。

 ほか、日本各地で「令和」ブームに突入した今年は、改元にまつわる川柳も多く寄せられた。「四元号 生き抜き迎える 白寿かな」(山田祐四郎 千葉県男性・97歳/無職)、「女房から 生前退位 せまられる」(脇本英成 兵庫県・68歳男性/アルバイト)など。特に4月の元号発表後からは、「令和」を用いた応募が急増。シニア世代の関心の高さが見られたという。

 シニア世代の夫婦の微妙な関係や、家族の絆を詠む作品が多いことも特徴の『シルバー川柳』。とくに男性からは「夫婦」ネタが多く投稿され、「失言は 家庭内でも 命取り」(おたやん 和歌山県・64歳男性/無職)といった、定年後の微妙な上下関係を詠んだ句もあった。

 公募期間は、2019年3月1日から6月9日の約3ヶ月間。今年の入選作20作を含む傑作川柳をまとめた単行本『シルバー川柳9』(ポプラ社刊)は、5日に発売。

(文:今 泉)