作詞家の秋元康氏と歌手の天童よしみが3日、都内でNHKスペシャル『AIでよみがえる 美空ひばり』(※仮タイトル 29日 後9:00~49)の取材会に出席。同番組では、亡くなったアーティストが今によみがえる、世界初の試みに挑戦。美空ひばりさん没後30年を迎える今年、2人がひばりさんとの思い出とAIの可能性を語った。

【写真】代表曲「川の流れのように」で作曲と振り付けをそれぞれ手掛けた秋元康&天童よしみ

 AIのひばりさんは、過去の映像を解析しながら、歌唱中の目や口の動きを抽出。4K・3Dホログラム映像で等身大のひばりさんを出現させる。さらに、生前最後の曲で、今なお歌い続けられている「川の流れのように」を作詞した秋元氏が新曲「あれから」を手掛け、振り付けを天童が担当した。

 秋元氏は「美空ひばりさんに会いたいという方が多くいる中、ひばりさんが新曲を携えてみんなの前に現れた奇跡に感動しました」と収録を振り返り「開発のみなさんは大変だったと思います。歌手としてだけでなく、ひばりさんがここに現れたら『久しぶり』って言うんじゃないかと、それを見事に表現していただき、本当にありがとうございました」と製作陣に感謝。

 天童は「幼いころから大尊敬しているひばりさんのような歌手になりたいという一心で、頑張ってきました。初めてお会いしたのは私が8歳のころで、優しく接してくださるひばりさんに『頑張んなさいね』と言っていただいた当時を思い出しました」と回想。収録では「先ほど、ひばりさんが目の前に現れたときには、少し固まってしまいました。もう止まることなく涙が流れました」と30年ぶりの“再会”に涙した。

 秋元氏は「これをご覧になったみなさんが、あの人も蘇らせてほしいとか、いろんな思いを抱くことが放送後にあると思うんです。難しいのは、そのままやってしまってもいいのだろうかということ。個人の意思はどこにあるのだろうかと考えてしまいます」と気軽な取り組みではないことを強調。

 「でも、ひばりさんだったらわかってくれるかなあと思うんです。『川の流れのように』をプロデュースしたときに、20代の若造のプロデューサーになぜやらせようと思ったのか。ひばりさんさんは『あなたが何をしようが美空ひばりは変わらない』とおっしゃった。思う存分やりなさいという感じだったんです。だから今回のAIプロジェクトも『おもしろいことやるのねえ』って受け止めてくれると思っているんですよね」と語った。