俳優の浦井健治、ロックバンド女王蜂ボーカルのアヴちゃんが30日、東京・EX THEATER ROPPONGIでブロードウェイミュージカル『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』のゲネプロ前囲み取材に参加した。

【全身ショット】ミニスカ姿で大胆に脚を披露した浦井健治

 愛と自由を手に入れるために性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に「アングリーインチ(怒りの1インチ)」が残ってしまった男でもあり、女でもあると同時に、そのどちらでもないロックシンガー・ヘドウィグ(浦井)。幾多の出会いと別れを経験し、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、「愛」を叫び求める姿を描く。アヴちゃんはイツァークを演じる。

 浦井は「この夏、1日も休まず朝から晩までけいこして作った。家族のような…。女王蜂のアヴちゃんというカリスマ性のあるパートナーが、これだけいろんなことにトライして、惜しげもなく、いろんなことを教えてくれた。宝物のよう。バンドのメンバーも愛らしくイカつい方が揃っている。バンドではなく出演者として『ヘドウィグ』の世界を作ってくださった」と感激。

 また、自身の奇抜な衣装も合わせ「役者冥利に尽きる」としみじみ。一方のアヴちゃんも「浦井さんでよかったと感じた。同じぐらい負けず嫌い。相反しているものだけど、相反し過ぎて、その距離を尊重している。この2人をキャスティングした人はスゴイ」と実感を口にした。

 役作りも“厳しい”ものになった。舞台はスカートのため、浦井は「けいこ場でもスカートをはいてました。ずーっと」と明かす。うっかり足を開いてイスに座っていると「お股!」と注意されたそう。浦井は「それがクセづいた。コンビニでレジに並んでいるときも…」とクネクネした動きを再現して笑わせた。ただ、毛の処理はしてないそう。浦井は「なぜか生えないんです」と語り、衣装の網タイツをはく際にアヴちゃんから「いらない!」と言われたそう。アヴちゃんが「色が、めっちゃキレイなんです」と理由を追加説明し、浦井は「色がキレイって初めて言われました」と気恥ずかしそうに語った。

 アヴちゃんから教えてもらったことについて浦井は「女王蜂のアヴちゃんの歌唱法。歩き方も腰から行く。ギャル語も教えてくれた。ギャルってすごく純粋なのを、生身で教えてくれたから、自分も飛び込めました」とけいこを懐かしんでいた。

 アヴちゃんは同作品の魅力について「出会ったときは多感なお友達から貸してもらった。ジェンダー系というか、だいたい主人公が恋に破れたり、病んだり、亡くなってしまう作品の1つとして貸してもらって、10代のときに『こう見えてるの?』と思って、つらかった思い出がある。今でこそ、うれしいけどバンドを組んでデビューしたときにも『日本のヘドウィグが出てきた』と言われた。当時は嫌だった」と振り返る。

 バンドがうまくいかない時期に再び鑑賞。「ヘドウィグもうまく行ってないから並べられたような気がして、また傷ついた」。その後、1年に1回ほど見るにつれ「やってみたい」という欲が出てきた。そのタイミングでのオファーだったそう。「見るときによって自分がわかる。変わらないでいるからこそ自分の変化に気づける。すごく偉大な作品」とあふれる思いを打ち明けた。

 同ミュージカルは、あす8月31日から9月8日まで。その後、福岡、名古屋、大阪を周り、9月26日から29日まで東京・Zepp Tokyoで上演される。