歌手で俳優の武田鉄矢が、東洋水産『マルちゃん 赤いきつねうどん』のCMキャラクターを1978年の発売当初から務めていることから、同商品が「同じ俳優を起用したTVCMを、最も長い間放映し続けている商品」として、ギネス世界記録に認定された。28日に都内で行われた公式認定証授与式に武田が登場し「私事でございますけど、心より感謝しております。プライベートな記録ではありますけど、懸命に頭を絞って、考えながらやってきました。ひときわの感慨が込み上がったのは『3年B組』の教え子たちと共演する機会に恵まれた時に、このコマーシャルの長さを痛感している次第であります」と喜びを語った。

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 武田は、1978年の同商品発売当初からイメージキャラクターを務め、2019年で42年となる。これまでに出演したCMは200本以上となり、かつてはアメリカやメキシコ、エジプトなど、日本以外の国でも撮影を行ってきた。

 昨年の同商品でのイベントで、武田が「ギネスをとるまで頑張りたい」と発言したことがきっかけとなり、今回の公式認定につながった。武田は「覚えてないんです」と率直に打ち明けながらも、認定証を授与されると「まさか、こんな日がくるとは思いませんでした。驚きとともに喜んでおります。下世話な言い方ですが(CMは)貴重な収入源なのでね(笑)。でも、きちんとした形になりまして、今後ともよろしくということですね。長いことお世話になっているなとつくづく思います」とかみしめるように語った。

 同商品のCM出演をオファーされた当初のことを振り返り「広告代理店の方が血相を変えて来まして、『やってよ』みたいな感じで言われましたね。当時は、その前の年くらいに『幸福の黄色いハンカチ』っていう映画で、コミカルな演技が評判になった、3流のフォークシンガーというキャラクターだったので、そういう軽い感じでした。ただコマーシャルを担うのかと思うとゾクッとしたのを覚えていますね」とにっこり。「そこから考えると、はるかに来たものだな」と語った。

 授与式後には「本当に、今聞いたばっかりなんだよね。スタッフが確信犯なんだよね。コツコツ続けて、デカい作品になりましたね。『赤いきつね』のブームって個人の芸能人としてデカくてね。ヒットコマーシャルで、どこのコンサートに行っても、かならず『赤いきつね』を投げつけるやつがいたんだよ(笑)。それで、僕が手にすると大爆笑になる」とのエピソードを披露。ただ、反響の大きさゆえに反発した時期もあったことを告白した。

 「どこに行っても『赤いきつね』って呼ばれて、くたびれちゃって。それで次の年に、きつねがくれた運なんでしょうけど、金八先生が当たるんですよ。『赤いきつね』のコミカルさと『金八先生』のシリアスが受けたものですから、バランス取るのがつらくなったことがあった。そんな時に(東洋水産の)創業者の社長に食事会をしてもらって、その旨を伝えたら、こんこんと説教されてね(笑)。『自分たちの会社がどれくらい懸命に作り、商売を成立させているか』と言われて、キャラクターを背負うということが、その会社にとっていかに重大かと思った」

 今後の目標を聞かれると「本当のことを言うと覚悟はしているんですよ。ジジイになってきたから。ここまでかわいがってもらえたらね」とポツリ。「商品のイメージに年齢がにじみ出たりしたらね…。商品はこれからも続いていく訳ですから、その時は首を洗ってキレイにして、きちんと2代目に譲ろうかなと。バトンタッチの儀式をやろうかなと考えています」と前向きに語っていた。