俳優の岡山天音が27日、都内でロックバンド・the pillowsの結成30周年アニバーサリープロジェクト「Thank you,my highlight」のひとつとして制作される映画『王様になれ』(9月13日公開)の完成披露上映会に参加した。

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 原案は、同バンドのVo・Gの山中さわおが担当し、監督と脚本は、山中自身がファンで、舞台を中心に俳優として活動するオクイシュージ氏。山中だけでなく、真鍋吉明(G)、佐藤シンイチロウ(Dr)も登場し、30周年を祝うべく、多数のミュージシャンも本人役での出演が決まっている。

 舞台あいさつにラフな格好で登場した山中は「俺だけTシャツ…。俳優のような芸能人のような、すごくソワソワした感じ」と空気感にふわふわしながらも「非常に達成感でいっぱいです」と心境を明かした。ドキュメンタリーではなく、1本の作品として映画にした。「ドキュメンタリーは15周年で作ったことがある。何か、やってないことにチャレンジしたい。できれば、自分が知ってるロックバンドがやってないことだったら、なおさら面白い」という理由から制作した。

 30周年というアニバーサリープロジェクトだが山中はオクイ監督が引き受けなければ、企画をやめていたという。山中は「完全に(オクイ監督)一択です」と力強く言い切るとオクイ監督は「一択ってありえないでしょ(笑)。逃げ場がない。もうやるしかないと腹をくくって、覚悟を決めました」と受諾した経緯を明かしていた。過酷なスケジュールだったがthe pillowsの音楽が助けになったそう。オクイ監督は「変なアレだったね。the pillowsのせいでヘロヘロで死にかけてるのにthe pillowsに励まされる。何だ、この現象」と冗談交じりに語った。

 また、岡山はthe pillowsの実際のライブのステージにも上がった。「2500人がいる。怖いですよね…」と思い返すと「the pillowsさんのお邪魔してないかな…。硬めの何かを投げられないかな…」と不安に思ったそう。ただ、そんな不安も杞憂。「出ていった瞬間に『ワー』と拍手で受けれてくださった。バスターズ(the pillowsファン)のみなさんは温かいな、と今でも鮮烈に覚えてます」と感慨深げ。そんな話を聞いた山中は「教育が行き届いているからね」と自慢げだった。

 最後のあいさつで山中は「30年間、バンドをやってきて、自分の創造を上回るうれしいことが3つありました。1つ目は15周年にトリビュートアルバムを出してもらえたこと。2つ目は全ヶ所ソールドアウトのアメリカツアー。3つ目が20周年の武道館。これが自分の創造を遥かに上回ることでした」と回想。そして「これに4つ目がやってきた。自分が映画を制作する側に回るなんて。たくさんのステキなミュージシャンにも出ていただいた。考えてもみなかった一流の撮影チームにも集まってもらった。とても、うれしく思っています。経験したことのない感動を胸に10月に横浜アリーナのステージに立ちたいと思います」としみじみと30年の歩みを噛み締めていた。

 物語は、バンドの軌跡を追ったドキュメンタリーではなく、“ロックバンド発の完全オリジナルストーリー”の劇映画作品。岡山が演じるのはカメラマン志望の祐介。夢をかなえるには現実は厳しく、崖っぷちの自分、成功していく同期への嫉妬、想いを寄せる女性との心のすれ違いなど、the pillowsが音楽で描いてきたような世界観が展開される。環境に満足せず、自分への評価が思い通りにならない苛立ち、それでも自分のやり方を貫こうとするときにぶち当たる孤独、絶望、その先にかすかにみえる光。そんな心の葛藤がスクリーンで繰り広げられる。