1980年に誕生した『ガンプラ』は、モデラーたちによる創作活動の中で「ガンプラは自由!」の精神を醸成。昨今は、デジタル技術の進歩と共に、『デジタルジオラマ(デジラマ)』を愛好するモデラーも増えている。今回紹介するのは、自身で撮影した“思い出の風景”とガンプラを合成する、人気モデラー・カス氏(good_for_nothing777※Instagram)。『デジラマ』制作にハマった理由や作品への思いを聞いた。

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■ガンプラに施す写真加工を必要最低限にしないと“ただのイラスト”になる

――風景写真とガンプラを合成するようになったキッカケを教えてください。

【カス】ジオラマを作成しているときに、趣味で撮っていた風景の臨場感をジオラマに組み込んだらどうなるのかな?と思い付いたのがキッカケです。それで、色々と調べてみたら『デジラマ』というジオラマの世界があることを知りました。それからは、風景写真を使うことで一層リアルな表現が出きるのではないかと試行錯誤し、今に至っています。

――最初はどんな組み合わせを試みましたか?

【カス】最初はフリー素材の壁紙などを使い、宇宙空間を漂うガンプラを表現しました。

――先日、東京大学×JAXAによる『G-SATELLITE 宇宙へ』というプロジェクトで、ガンダムとシャアザクを宇宙に飛ばすという企画が発表されましたね。

【カス】はい。とうとうガンプラが宇宙に行く時代になったんですね。感慨深いです。

――最初は宇宙背景だったとのことですが、ガンプラと風景を組み合わせる際にどんな苦労がありましたか?

【カス】最初は写真加工の知識が無かったため、ガンプラを元の背景から切り抜くのさえ苦労しました(苦笑)。あと、ガンプラと風景写真を合成した際にどうしても違和感が出てしまうのが悩みでした。

――確かに、ガンプラと実写風景を馴染ませるのは難しそうですね。

【カス】今でも課題となっていて、背景とガンプラを組み合わせた際の“違和感”を出来るだけ少なくしようと努力しています。それに、ガンプラに施す写真加工を必要最低限にしないと、ガンプラがただのイラストに見えてしまうという問題もあります。

――違和感を少なくするテクニックというのは?

【カス】お答えできるようなテクニックは特に持ち合わせていないのですが…、光の加減を調整することが重要です。背景とガンプラの光源を合わせることで調和がとれたジオラマになると思います。

■『デジラマ』で“物語を想像”できる作品を作りたい

――相当苦労されたようですが、実写風景との合成で初めて納得のいった作品というのは?

【カス】岩稜帯の実写風景をバックに、シートを剥ぎ取って立とうとするリアルタイプガンダムの作品です。ティッシュペーパーで作ったシートが思いがけずリアルに出来たことと、背景に使った風景が自分の好きな場所で、それが上手くマッチしたことが気に入っている理由です。

――『デジラマ』を制作する際、参考にした資料などはありますか?

【カス】ガンプラの箱絵が主になります。構図などを参考にしました。

――今回紹介している、「夕陽にたたずむアムロとガンダム」ですが、この作品をイメージしたキッカケはなんでしょうか。

【カス】映画『機動戦士ガンダムII 哀戦士編』をDVDで見ていて、夕陽とガンダムって何だか相性が良さそうだなと思い、過去に撮った夕焼けの写真と組み合わせてみました。

――この作品で苦労した点を教えてください。

【カス】逆光の位置になっているため、ガンプラを見せつつ影をどう処理するかで非常に苦労しました。作品としての満足度は50点くらいですね(苦笑)。

――今後、どんな実写風景とガンプを組み合わせてみたいですか?

【カス】人の写った風景写真とガンプラを組み合わせて、MSの巨大さや兵器感を表現してみたいです。また、そこから発展させて“市街戦”も作ってみたいですね。

――臨場感のある作品が生まれそうですね。

【カス】1枚の写真の中でガンプラとリアルな人間を共存させることは物凄くハードルが高いと思います。でもそれを実現させて、見た人が“物語を想像”できるようなジオラマ作品を作りたいです。

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