日本アカデミー賞で最優秀作品賞など13冠に輝いた映画『Shall we ダンス?』(1996年)などを手掛けている周防正行監督の最新作『カツベン!』(12月13日公開)のPR活動で、周防監督が行っている『周防正行の全国しゃべくり道中』の経過報告ミニ会見に、同作で映画初主演を務める俳優の成田凌が同席。周防監督が地方でさまざまな人たちと触れ合う中、自身が埼玉県出身であることの認知度の低さに嘆く一面も見せた。

【全身ショット】ダンディな雰囲気漂う…モノクロコーデで登壇した成田凌

 6月12日の北海道を皮切りに、これまで31の道府県を周り160媒体の取材を受けている周防監督。成田は「ありがとうございますとしか思えない」と感謝を告げ「160の取材ってなかなかですよね。そんな監督と取材を受けていると楽でしょうがないです」と笑った。

 成田は出身地の埼玉でのPR活動には「俺も行かなきゃですよね」と意欲を見せ、「出たことがないのでNACK5に出るのが夢なんですよ」と埼玉が本社のラジオへ出演の願望を明かす。しかし、周防監督からは「ご当地の役者さんって本当に愛されてるけど、埼玉では愛されているの?」と聞かれると、「怖い質問ですね」とたじろぐ成田。「埼玉はご当地感ゼロですよ。実家からガチャっと出たら、若者2人が歩いてて『あ、本物だ』と言われましたもん。その時は歩きながら『はあっ』て思って。(埼玉出身の認知度は)その程度ですよ」と落ち込む姿も見せた。

 これまでの道中について周防監督は「地方の情報番組って、ゆるさがあって楽しいですね」と笑い、「若い新聞記者の方から取材を受けて、インタビューに慣れてないと思ったから書きやすいように話したんですけど、聞いたら『まだ4ヶ月です。インタビューも初めてです』と言われて。気を使いすぎたと思ったけど、東京にいると地方のメディアってわからないから、そういう楽しみはありましたね」と振り返った。

 今回自身初のデジタル撮影にも挑戦した。「仕上げの時に(今作の舞台の)大正時代に映ってはいけないものを消していく作業が必要で、CGは何かを引くために使いました。(セットに)耐震のための鉄骨を使ったり鉄の棒が入ったりするんで、それを消すんですよ。時代劇になればなるほどデジタルの方が便利という、皮肉なものになっているのかもしれないですね」と技術の進化への思いも明かした。

 映画の舞台は今からおよそ100年前。日本では映画が“活動写真”と言われ、独自の文化が花開いており、サイレントでモノクロのものだった。当時の日本人が魅了されたのは楽士の奏でる音楽とともに、独自の“しゃべり”で観客を映画に引き込む「活動弁士」(通称:カツベン)がいたからだった。

 一流の活動弁士を目指す青年・俊太郎(成田)は、小さな町の映画館「青木館」に流れ着く。隣町の映画館に客も人材もとられ、青木館に残ったのは「人使いの荒い館主夫婦」「自信過剰な弁士」「酔っぱらいの弁士」「気難しい職人気質な映写技師」と曲者ぞろい。雑用ばかりさせられる俊太郎の前に、突如として泥棒とニセ弁士を追う警察、そして幼なじみの初恋相手も現れ…。夢×恋×青春が描かれるエンターテインメントストーリーとなっている。