女優としての活動をスタートさせた兒玉遥(22)。舞台『私に会いに来て』で女優としての第一歩を踏み出す。ORICON NEWSではインタビューを実施。舞台の魅力や、女優としての今後、休養期間を経た今の仕事観などを包み隠さず明かしてくれた。

【全身カット】キュートなレースワンピ姿の兒玉遥

■実際の殺人事件から創作「胸にどっしりと来る重量感のある物語」

 今年の『第72回カンヌ国際映画祭』でパルムドールを獲得したポン・ジュノ監督の出世作『殺人の追憶』の原作となった韓国の舞台作品。実際の殺人事件の資料をもとに創作され、今回は藤田玲が主演を務める。兒玉は新聞記者のパク・ヨンオク記者を演じる。

 「女優に挑戦することが決まってからの初仕事が舞台。舞台は生の私を観ていただける。ファンの方も近くに感じることができる。私は卒業公演をしていないので、舞台をすることで私の覚悟を感じていただけるように頑張りたい」と静かにやる気の炎を燃やした。

 韓国で実際に起きた「華城連続殺人事件」を題材に、犯人に翻弄される4人の刑事たちの奮闘と苦悩を描く骨のある舞台となっている。「すごくヘビーで重たい題材。映画を観たり、台本を読むと胸にどっしりと来る重量感のある物語です。これを演じると、どういう気持ちになるのか楽しみ。貴重な体験ですね」と作品について語った。

 映画と舞台は大きく違う部分がある。兒玉が演じる女性記者と西葉瑞希演じるミスキムは舞台版のために作られたキャラクターとなっている。「警察と犯人の尋問シーンとか重い場面が多いんですけど、女性陣が入ることでラブシーンがちょこちょこ含まれる。そこで、お口直しじゃないですけど少しでも場をリラックスさせられたら」とはにかんだ。もちろん、ラブシーンは初挑戦。それでも、精一杯演じきる。「キレイに見えるように研究できたら」とキュートな笑顔で意気込みを口にした。

 芝居への憧れは、ずっと抱いていたそう。「お芝居はずっとやってみたいと思っていました。アイドルは“はるっぴ”で自分自身。自分がやりたいようにしていい。でも、お芝居は自分が経験できない、仕事や役柄になれる。たくさんの経験をできるから、そこが女優さんのいいところだな、と思います」。

 兒玉は2011年、HKT48の1期生オーディションに合格。12年5月にAKB48のシングル「真夏のSounds good!」で初選抜入りするなど活躍したが、17年12月末より体調不良のため、療養に専念。今年6月4日、自身のブログでHKT48からの卒業と、10日からはエイベックス・アスナロ・カンパニーに所属することを発表した。

 休んでいた期間中、舞台や映画を観て演技の勉強をしていたそう。「HKT48の先輩の多田愛佳さんの舞台を観に行きました。アイドルとは違う愛ちゃんになっていて感動しました。だから、変わったなという部分を私も観てほしいですね」。HKTメンバーは舞台を観に来てくれるという。「メンバーは観に来たいと言ってくれてます。いっぱい呼びたいですね。松岡菜摘ちゃんや、森保まどかちゃん、本村碧唯ちゃんも言ってくれました」と明かす。ただ「すごく楽しみ」としつつも「来るって言わずに来てほしい。緊張するから(笑)。感想とか言われるのが恥ずかしい…」と照れた。

 休養期間は、これからの兒玉にとって重要な時間になった。「休養期間は私にとって、すごく大事な時間でした」と振り返る。14歳でHKT48に合格し、そこからトップアイドルとして全力投球する日々だった。「私は『頑張り続けることが正義』と思っていた。子どもだったから、わからないことがたくさんありすぎた」といつの間にか、自分でも知らいないところでオーバーワークに陥った。「ずっと一生懸命に走り続けるのではなく、上手な自分の休め方、スタイルを見直すきっかけになりました。自分を甘やかす時間も必要。バランスを取ることも大事。もし、これから忙しく、目まぐるしい毎日が来ても、上手な息抜きの仕方を習得できたかな」。どんな状況になっても“休む”大切さを学んだ兒玉は大丈夫だ。

 また、6月に行われた『私に会いに来て』の制作発表会見でアイドルに「未練はない」と話したことが話題となっていた。もちろん、ネガティブな意味での発言ではないと真意を、こう語った。「『もうやりたくない』みたいに捉えられたんですけど、全然、違うんです。アイドルはやりきった」。ファンを大事にする姿勢はアイドル時代と何ら変わることはない。「女優という言葉の雰囲気にとらわれないで、ファンのみなさんとの距離感を大事にしたい。機会があれば歌にも挑戦したいですし。とにかく今はやれることに何でも挑戦したいです」。屈託のない笑みは、兒玉の思いを雄弁に物語っていた。

 指原莉乃は今年4月にHKT48を卒業し、テレビで見ない日はないほど。宮脇咲良は48グループの活動を休止し、グローバルガールズグループ・IZ*ONE(アイズワン)として活躍している。兒玉を含め、黎明期のHKT48のけん引役だった3人が、それぞれの道を歩んでいる。

 それぞれの活動から刺激を受けているという。指原について兒玉は「アイドルをしていたとき、ずっと近くでさっしーの仕事に対する向き合い方を感じられた。毎日、刺激でした」と振り返る。どんな仕事にも意識を高く持ち、こなしていた。「今も身になってるなと思います。すごく勉強させてもらいました。いろいろな言葉が出てくるんです。普段から、いろいろなことを考えているんだなと伝わってくる。HKT48への思いや、すごく先のことまで考えていた。私は上手にしゃべれないというコンプレックスがあったので、そこがかっこいいなと思って近くでお仕事してました」。

 宮脇は“家族”のような感覚になってる。「活動をずっと見ていると、さくちゃんは、ずっと忙しそう。ステージに立つ大変さを知っているから、あんなに大きな舞台を、あんなスパンでやっていくのは大変。ご飯を食べているのか心配になっちゃう」とすると「体調を崩さないように頑張ってほしいですね。」と関係性を語った。

 今後、女優として、やってみたい役について、こう明かす。「学生の役をやってみたいんです。学園モノのドラマや映画が好き。あの世代の青春な感じの気持ちは、ずっと色あせないので」。ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)や、映画『くちびるに歌を』が好きな作品という。「みんなが団結するのが、すごくかっこいいですよね」と思いを巡らせた。

 最後に10年後、32歳になった兒玉遥のイメージ像について聞いてみた。「全然、想像つかないですね…。10年前の私が、今の私がこういう風になっているとは思えなかった。ホントに何が起きるか、わからない」としみじみと語ると「でも、いつ、どんなお仕事のチャンスが来ても応えられるようい技術を磨きたい」。

 兒玉遥の女優としての道は始まったばかりだ。