4人組ダンスロックバンド・DISH//のメンバーで俳優の北村匠海(21)、俳優の松坂桃李(30)、女優の浜辺美波(18)が声優を務めるアニメーション映画『HELLO WORLD』(9月20日公開)のプロジェクト始動イベントが8日、都内で開催された。声優の演技に合わせて画を作る手法・プレスコ、実験的な映画音楽への取り組みなどについて、総勢13人の登壇者が語った。

【写真】豪華な顔ぶれが集結、イベントに登壇した浜辺美波ら

 同アニメは、『ソードアート・オンライン』シリーズや『銀の匙 Silver Spoon』(第1期)、『僕だけがいない街』などを手掛けた伊藤智彦監督の最新作。脚本は、小説「バビロン」シリーズ、『正解するカド』などの野崎まど氏の書き下ろし。キャラクターデザインは『けいおん!』などの堀口悠紀子氏。アニメーション制作は『楽園追放 -Expelled from Paradise-』のグラフィニカが担当している。

 京都に暮らす内気な高校生・堅書直実(北村)の前に、10年後の未来から来た自分を名乗る青年・ナオミ(松坂)が突然現れることから始まるSF青春ラブストーリー。ナオミは、不慮の事故にあうクラスメイトの一行瑠璃(浜辺)を救うため、協力を求めに来たのだった。

 伊藤監督から『パディントン』を見て、と熱烈なオファーの手紙を受け取ったという松坂は、プレスコについて「難しかったです。『パディントン』は(吹替なので)映像が出来上がっていて、キャラクターの表情を見ながら声を入れることができた。(映像のない)プレスコは想像力を膨らませながら声を入れないといけないというのが難しくて。監督の演出もミリ単位(笑)。例えば、『明るくもあり、でもちょっと暗さもあって、前向きであって一歩踏み出す勇気がいる』みたいな。細かい!」と、暴露。

 「3割減らしてください、とか言いましたね」と苦笑いした伊藤監督。プレスコを進める上で助けになったのは、皆、アニメ好きだったこと。松坂は「僕はエヴァンゲリオンが好きなんですが、ナオミがあることでショックを受けて悲鳴に近いような叫び声をあげるシーンで、どれくらいのテンションなのか監督に聞いたら、『エヴァンゲリオンの初号機が胸を突き刺された時の碇シンジみたいな感じ』と言われ、『あれか! 難しそうですけど、やってみます』と。監督もエヴァが好きで、共通認識を持つことができました」。

 松坂がエヴァンゲリオンの話を持ち出したことで、北村に火がつく。「僕はガンダムが大好きです。ファーストガンダム。ジオン軍に入りたくてしかたなかった」とアピール。ガンダム愛は収録現場でもさく裂していたようで、浜辺も笑いながら「ひたすら北村さんにガンダムのプレゼンをされていたことは覚えています」とバラしていた。

■OKAMOTO'S「完成したらボロ泣きすると思う」

 同映画は、「今もっともおもしろいアーティストたちによって、新しい映画音楽のかたちを創造する」というコンセプトのもと、4人組ロックバンドOKAMOTO’Sをハブとして、企画に賛同したOfficial髭男dism、Nulbarich、OBKR(小袋成彬)、Yaffle、STUTS、BRIAN SHINSEKAIらが集まり、「2027Sound(ニーゼロニンナナサウンド)」という、この映画のためだけのドリームチームを結成。3曲の主題歌と43曲の劇伴が制作された。

 イベントには、映画のシーンに合わせて書き下ろされた主題歌を担当する、OKAMOTO’Sのメンバー(オカモトショウ、オカモトコウキ、ハマ・オカモト、オカモトレイジ)、Official髭男dismのメンバー(楢崎誠、小笹大輔、藤原聡、松浦匡希)、NulbarichのJQが登壇。

 オカモトショウは「いろんなミュージシャンと作ると言っても、同じ部屋にみんなで入って、それでポンと曲が生まれるものでもなく、どうやって作っていこうか、というのがありながらも、最初に声をかけてもらえてうれしかったし、挑戦したいと思った」と、昨年からの取り組みに思いを馳せた。

 OKAMOTO'Sによる主題歌「新世界」は「脚本を読んだ直後に、ファーストインプレッションでできた曲。その後、劇伴を作りながら、主題歌もいろいろ書いたんですけど、監督も『最初のがいい』と言ってくれて、選ばれました」。

 DISH//として、OKAMOTO'Sと対バンしたり、楽曲を提供してもらったりしていた北村は「普段から親交がある方々を先頭に素晴らしい方々が集まって、取り組んでくれたのは本当に新しくて、実験的。こんな映画音楽、聴いたことないと思いました。早く大きいスクリーンで、いいスピーカーで、たくさんの人に聴いてもらいたい」と絶賛。

 高校生の直実と瑠璃の恋が動き出すラブコメパートの主題歌「イエスタデイ」を担当したOfficial髭男dismの藤原は、「恋が始まるシーンのスピード感を歌で加速させることを大事にした。相手のことを思う気持ちがどんどん強くなって、心の葛藤もあって、でもさわやかなサウンドで、というのをメンバー4人で相談しながら作りました。レコーディングでは、恋が始まる、心が弾んでいく感じを出すために、一つ一つの音にこだわりました」とコメント。浜辺は「青春の甘酸っぱい感じにぴったり。映像にぴったりすぎる」と、感動を伝えた。

 また、このイベントでお披露目となったNulbarichによる主題歌「Lost Game」は、終盤のナオミの印象的なシーンにかかる曲で、JQは「話すとネタバレになる」と苦笑い。「3人目のナオミだと思って作りました」というコメントに、北村と松坂だけが「お、おぉ~」とニヤリ。松坂は「プレスコでは自分で想像した感情をぶつけて演じたが、シーンと合わせて主題歌を聴いた時、あ、これだったんだ、とナオミの感情が鮮明になって感動しました。なんなら曲を聴きながらせりふを言いたかった」と話した。

 オカモトショウは、「脚本を読んだだけではわからなかったアクションシーンが、画になって、画が動くようになって、なめらかに動くようになって、そういう過程を見てきたので、完成したらボロ泣きすると思う。我が子の巣立ちを見るみたいに」と語り、作品の完成に期待を高めていた。