吉本興業は8日、反社会的勢力との闇営業問題などをめぐって設置した「経営アドバイザリー委員会」の第1回を、8日午後2時から東京・新宿の同社東京本部で開催。委員会から、すべての芸人・タレントの意向やニーズに合わせた契約形態を提案されたことを受けて、共同確認書をすべての芸人・タレントを交わす方針を固めた。その上で、専属エージェント契約形態を導入する。これまでも、クライアント先と直接交渉して仕事を進める、いわゆる「直営業」が一部の芸人・タレントの間で行われてきたが、今回の委員会での提案を受けて、その方針を改めて打ち出す形となる。

【写真】委員会メンバー…淡いピンクのブラウスで美しさ際立つ三浦瑠麗

 同社は先月25日、同委員会の設置決定を発表。国際医療福祉大学の川上和久教授を座長に据え、運営方針に「いわゆる第三者委員会のように不祥事を調査してその責任の所在や社内処分のあり方について提言する、というものではありません。経営にかかる懸案事項について専門的知見から助言・アドバイスを提示いただき、これらを元に社内改革を進めていくものです」を挙げた。

 この日は岡本社長も出席し、「反社会的勢力の完全排除に関する対応」「所属タレントとの契約」「コンプライアンス体制の検討とあり方」「コーポレート・ガバナンスのあり方」の4つを審議。先月22日に会見を行った、岡本昭彦社長が「すべての芸人・タレントの意向や希望をヒアリング、意見反映した個々のニーズに合わせた契約形態」「今回の騒動、時代背景を受けて、これからの時代に即した新しい契約形態」を重視していることを踏まえ、委員会は審議の結果として「すべての芸人とタレントのニーズに合わせた契約形態」を提案した。

 同社所属タレントでは明石家さんまが個人事務所を構えているのを筆頭に、田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、西野亮廣(キングコング)、中田敦彦(オリエンタルラジオ)ら一部の芸人もプライベートオフィスを立ち上げ、自己裁量でクライアントと直接仕事をしている。今回の騒動が起こる以前から、将来を見据えて行動してきた芸人も多数おり、今回の委員会をもって同社は専属エージェント契約形態を導入すると大々的に発表。この日、審議されたテーマの詳細は以下の通り。

■「経営アドバイザリー委員会」第1回の審議テーマ
「反社会的勢力の完全排除のために何をどう実行すべきか」
吉本興業のこれまでの反社会的勢力排除に関する対応や取り組みを点検したうえ、より強力な対応策を提言。

「所属タレントとの契約に関して」
長い伝統に裏付けられた契約形態を新しい時代にどう評価していくか、多様な広がりを持つ職務を契約上、いかに有効に反映させるか、とくに所属タレントの権利を十全に尊重した契約形態はどのようなものであるべきかを審議し、提言。

「コンプライアンス体制の検討とあり方について」
一部の所属タレントにおいて意図せざる反社会的勢力との接触が認められたが、今後、二度とこのような事態を引き起こさないように、どのようなコンプライアンス体制をとるべきか、また、全社的にコンプライアンス上の課題がないか検証し、あるべき方策を提言。

「コーポレート・ガバナンスのあり方について」
経営陣と現場社員、会社と所属タレントとの間に、十分なコミュニケーションが取れているか、その上で権限と責任が明確になっているか等について検証し、あるべき内部統制システムの構築について提言。

■「経営アドバイザリー委員会」メンバー
川上和久(座長) 国際医療福祉大学 教授
大仲土和 弁護士、関西大学大学院法務研究科教授(元最高検察庁総務部長)
久保 博 株式会社読売巨人軍 顧問(前同社会長・元社長)
島根 悟 一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センター 理事(元警視庁副総監)
町田 徹 経済ジャーナリスト(ゆうちょ銀行社外取締役、ノンフィクション作家)
三浦 瑠麗 国際政治学者(山猫総合研究所代表)
山田 秀雄 弁護士(元日本弁護士連合会副会長、元第二東京弁護士会会長)
※五十音順