40歳からYouTubeをはじめ、いまやチャンネル登録者数18万人を誇るあいりさん。40代である自分のシワやシミを隠すこともなく、果敢にすっぴんを見せながら解説するメイク動画などが人気だ。「何もない自分」から一念発起、どん底時代も超えて「第二の人生」を謳歌するあいりさん。「年をとってから新しいことを始めるのは、すごく勇気がいる」、それを可能にした彼女の生きざまから、アラフォーならではの美の秘訣を聞いた。

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■「何もない」事務員からMCに転身、「すべてがYouTubeに繋がった」

――あいりさんは40歳からYouTuberになったそうですが、その前のMC業も37歳から始められたことにも驚きました。すごいバイタリティですね。

【あいり】私、20年近く派遣などで事務員の仕事をしてきたんです。ただ、このまま36、37歳になるには、自分に何もなさすぎると思って。子どもの頃から人を笑顔にするのが大好きだったし、事務員時代に「よく通る」と言われた声を生かしたMCという仕事に興味がわいたんです。とはいえ、どうしたらなれるかわからない。とにかく、友だちや周りの人に「MCがやりたい」ということをいっぱい発信していたら、お祭りのMCの仕事が入ってきたんです。全部独学なんですけど、そこから結婚式の司会やキャラクターショーのお姉さんの仕事に繋がっていき、MCの道に入りました。YouTubeを始めたのも、見てくれる人に楽しんでもらう、笑顔にするために配信するという意味では同じなんです。

――YouTubeの前にブログも書いていましたが、動画配信という方法へ移行した一番の理由は?

【あいり】もともとコスメやコーデに強いこだわりを持っているんですが、例えばストールの巻き方を解説するとき、ブログでは読者にうまく伝えられなかったんですよね。それなら動画にしてみよう、というのがYouTubeを始めたきっかけです。当初はこれを仕事にするとは考えてなかったんですけど、40歳の誕生日からやってみようと決めて。事務仕事をしてきたのでパソコンは使えたし、人を笑わせることが好きで、紹介したいコスメやコーデもある。すべてがYouTubeに繋がったんです。

■シミも肌トラブルも全部出す、「コンプレックスだらけだった」からこそ

――確かに、あいりさんの動画はコスメを紹介しながらも、思わず笑ってしまう瞬間が多いです。

【あいり】もう、根がコメディアンみたいなもので(笑)。一通り動画を作っても「まだ笑いが足りないなぁ」とか、そんな編集ばっかり考えているんです。自分が楽しむことは一番なんですけど、視聴者の方に面白いと思ってもらわなければ意味がない。それはもう、芸人魂ですよね。

――すっぴんのみならず、ご自分のシミや肌トラブルまで見せてしまうのは?

【あいり】全部出しちゃってますからね、私(笑)。それも、ひと言で言えばサービス精神です。動画を見てくださる方は私と同世代のアラフォーの方が多いんですが、悩んでる方のお役に立てるなら何でもやりたくて。

――コスメも、プチプラやコンビニコスメを使用していたりと、親しみやすい。

【あいり】そうですね。真似していただきやすいということも、意識しています。実は私自身、もともとコンプレックスだらけだったんですね。どうやったらメイクで少しでも可愛く見せられるのか?とか、高校生くらいからずっと試行錯誤してきた。だからYouTubeも、自分を良く見せるためではなくて、悩みのある人に「一緒に頑張ろうよ」というつもりでやっているんです。自分が気になるコスメを紹介したり、試してみるのはもちろんですけど、コメント欄にお寄せいただいた情報も参考にさせてもらってますし、本当にみなさんと一緒にチャンネルを作ってる気持ちでいるんですよね。

■目指すは歳相応の美しさ、「40代はなんでも流行りに乗るのはキケン」

――メイク動画をアップする際に気をつけていることはありますか?

【あいり】流行りにとらわれないようにしています。そのせいか、たまに「ダサイ」とか「古くさい」とか反対意見をいただくこともあって、落ち込んだり、このまま進めていいのかな? と悩むことも多々あります。でも、40代ともなると、若い頃とは違ってなんでも流行りに乗るのはキケンなのは確かなので、賛同してくださる方の声を励みに、自信を持って紹介したいと思っています。

――現在では、美魔女という言葉もあれば、グレイヘアなど年齢に抗わない生き方もあり、価値観は多種多様。あいりさんにとって、40代の美しさとはどんなものだと思いますか?

【あいり】今は「若い」と言われるより、「若々しい」と言われることを目指しています。歳をとっても、「若々しいよね、生き生きしいてるね」って言われるほうが、私の性格にも合っている。がんばって“若作り”をするのではなく“歳相応の美しさ”を手にする、そのためのメイク作りをしているんです。

――“若作り”にならないように、NGにしているメイク法は?

【あいり】アイメイクひとつをとっても、カラコンや囲みメイクはしない、アイシャドウに大粒のラメは使わないとか、色々あります。下瞼にキラキラしたものをつける方は多いですけど、目の下はなるべくさわらないようにして、クマなどが気になる部分だけをケアします。あとは、この年になるとやっぱり艶が命ですね。今の流行りが、マットな質感のファンデーションや口紅であっても、肌も唇もやっぱり艶感を大事にしたい。流行色も極端に取り入れすぎず、自分の肌に合ったカラーを使うのが私のポリシーなんです。

――なるべく、素のままの自分を生かした方法を選ぶ、ということでしょうか。

【あいり】そうですね。隠しすぎずに素を出しつつ、自信をつけることが大事かなと。シミでもシワでも、隠しすぎると逆に若々しさがなくなっちゃうんですよね。あとは当たり前のことですが、素の部分を出すためには食べ物や運動は気にしています。プライベートでどん底だった38歳の頃、不摂生しすぎて肌が大変なことになった時期があって(笑)。立て直してからは、納豆とかキムチとか発酵食品を多く取り入れて、毎日1時間ウォーキングをしています。

――40代ならではのこともありますか?

【あいり】美容には自律神経を崩さないことがすごく大事。年齢を重ねてきてわかったんですが、昔は出ていたやる気が出なかったり、眠れなくなったりするんです。そのせいで、お肌にも直接影響が出てくる。だから、40代以降は身体の不調を更年期のせいにせず、ちゃんと自分の身体に向き合ったほうがいい。その上で、食生活や新陳代謝の促進、スキンケアに一番大事なクレンジングなど、実践していけたらいいのかなと思います。

■伝えたいのは「40代って楽しいよ!」、誰かの刺激になれば

――では最後に、今後あいりさんがYouTubeを通してやりたいこと、ユーザーに伝えたいことは?

【あいり】やりたいことはたくさんあるんですけど、このままいくとバンジージャンプとか激辛料理とか、どんどんお笑い系に走ってしまいそうで…。でも、笑いに繋がるなら何でもやっちゃおうかなと思っているんですよね(笑)。もちろん、コスメなど私の得意な分野はどんどん発信していきますし、みなさんに少しでも笑顔や勇気、元気を届けたい。私も自信があるわけじゃないんですけど、メイクの楽しみ方とか、この年代ならではの体つきに合わせたスタイルアップ法なども伝えていきたいですね。

――例えば勇気というのは、どんなことでしょう?

【あいり】まさしく、私がYouTubeをやっていることだと思います。年をとってから新しいことを始めるのは、すごく勇気がいること。40代の私がYouTubeをがんばっていることで、「私にも何かできるかもしれない!」と思ってもらえたら嬉しくて。私、この間、日本化粧品検定というものを受けて、1級に合格できたんです。化粧品の成分についてなども含まれた検定で、勉強はけっこう難しいんですけど、そうやって私が新しいことを始めることが誰かの刺激になったらいいなと思うんですよね。

――そうなったら素敵ですね。

【あいり】はい。私個人としても、いろんなことがあってここに辿り着いた。今は第二の人生だと思っているので、残り半分を思い切り謳歌しようと思っています。私のYouTubeチャンネルは40代向けの内容ですけど、これから40代を迎える人たちにも、「40代って楽しいよ!」ってことを伝えていきたいですね。

(写真:白石文丈 文:川上きくえ)