1958年に国産プラモデルが誕生してから60余年。今なお多くの模型ファンの心を掴み続けている。今回紹介するモデラーは、1/24タミヤ『トヨタGT-One』(TS-020)に魅せられたガト氏(@gatometal)。自身の技術を押し上げることとなった本キットとの出会いや、スケールモデル制作へのこだわりを聞いた。

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■社外品を使わずにキットの“潜在能力”を引き出したい

――ガトさんがプラモデルをはじめたキッカケを教えてください。

【ガト】幼少期に流行ったビッグワンガム(昭和53年より発売、カバヤ食品が販売したプラスチックの食玩シリーズ)の模型を作ったのが“初プラモ”になります。その後、1980年代初頭のガンプラブームで一気に模型熱が花開きました(笑)。

――最初はガンプラにハマったとのことですが、その後、スケールモデルの楽しさに目覚めたキットは何だったのでしょうか。

【ガト】タミヤのGPバイクシリーズです。父がバイク趣味ということもあり、バイク雑誌に目を通すことが多かったんです。すると見るだけに飽き足らず、自分でも作ってみたい!と思うようになりました。

――ガトさんの作例を見ますと、最近はレースカーのキットが多く見られます。艦船や飛行機、戦車などではなく、レースカーを作る理由はなんでしょうか。

【ガト】“スピードへの憧れ”が強いせいもあるでしょう。世代的にもF1カーやスーパーカーに興味を持ちましたし、何と言ってもレースカーの“リアル”なデザイン性やカッコ良さに惹かれます。

――レースカーを制作するうえでこだわっている点は?

【ガト】なるべく社外品を使わないよう心がけています。キットそのままのクオリティを大事にしたいですね。その分、ボディの仕上げで理想通りの光沢感が出た時はカタルシスを感じます。

■モデラー人生のターニングポイントとなった『トヨタGT-ONE』

――これまでレースカーを制作して、思い入れの強い作品を教えてください。

【ガト】トヨタGT-Oneです。中研ぎを交えて塗装のたびに平滑にしていくやり方を、他のモデラーの技法を見てヒントを得ました。その技法をカーモデルにフィードバックしてから、全般に仕上げのやり方が変わりました。GT-Oneは、現在の仕上げに変わった最初の作品なので思い入れの強いキットになっています。

――トヨタGT-Oneの制作で苦労した部分はどこですか?

【ガト】塗装した面にヤスリを当てますから塗装剥げのリタッチが手間でした。慣れてくるとそれも減りましたが。あと、表面の光沢とエンジン細部の塗り分けやクリアパーツの処理にも気を使っています。

――本作により、表面の仕上げの意識が今までとガラリと変わったということですね。

【ガト】僕はスケールモデルだけに拘らずキャラモノも作るモデラーなのですが、平均的な表面処理から塗装までをちゃんと意識するようになった点で、本キットはターニングポイントとなっています。それまではジャンル違いでチクハグだったんですが、それが無くなりました。

――いま制作したいと考えているキットは何ですか?

【ガト】名古屋の展示会に出すために映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに登場するデロリアンを予定しています。SFモノの企画なので選びました。

――それは気になる作品ですね!では最後に、ガトさんにとってスケールモデルとは何でしょうか。

【ガト】「現在の技量を見るための物差し」なのと、純粋に「憧れ」です。昔作ったキットを、今の技量でどんな作品に仕上げられるのか知りたくて制作することもあります。それと、自分は架空のモノよりも、現実にあるモノ(車)に魅力や憧れを感じる性格なんだと思います。