NHKで放送中の連続テレビ小説『なつぞら』(月~土 前8:00 総合ほか)に、ヒロイン・なつ(広瀬すず)の同級生で幼なじみ・小畑雪次郎役で出演する山田裕貴(28)。これまで、『なつぞら』関連の番組やさまざまなメディアのインタビューで彼が語ってきたのは、自身と雪次郎のシンクロ率。「100%」と感じることも少なくないという。

【写真】実はレア、雪次郎と天陽2人だけのシーン

 「脚本の大森さん(大森寿美男)が当て書いてくれているのかなって。雪次郎のせりふが、ほぼ僕が思っていることと同じで、僕のインタビューをめちゃくちゃ読んでくれているんじゃないか、といつも思います」

■シンクロ率100% 俳優業への思い

 高校時代から演劇部に所属していた雪次郎。家業の菓子店を継ぐため、高校卒業後、上京し、かつて父・雪之助も修業した新宿の川村屋で働いていた。それが、思いがけず縁があって、菓子職人になる道を外れ、一緒に上京したなつの実兄が働いている劇団に入ることを選択する。

 「自分は無個性でつまらない人間だと思っていた。違う人間になりたいという欲求があって、俳優の仕事が大好き。雪次郎の『俳優になりたい』というせりふに自分の思いが重なりました」と振り返る。

 劇中で雪次郎が東京で初めて新劇の舞台を観た後、女優の亀山蘭子(鈴木杏樹)に感想を語ったシーン(第11週・第62回)や第17週で雪次郎と蘭子が交わした演劇論は、「まさに僕が目指している俳優像」そのものだったという。

 「雪次郎が蘭子さんに言った『本物は普通なんだ。普通の人が普通にいるみたいに、普通の人がいいたいことを伝えられるがプロ』といった感想は、僕が普段から思っていることで、俳優は特別扱いされがちだけど、スターじゃなくて、一番普通の人間でないといけないと思っている。作品に溶け込んでその中の人として普通に生きられる俳優を僕も目指しているので、台本を読んでびっくりしました」

 そんな山田が一番影響を受けた俳優は、英国の俳優ゲイリー・オールドマン。映画『レオン』や『ハリー・ポッター』シリーズのシリウス・ブラック役など、数々のヒット作で知られ、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で『第90回アカデミー賞』(2018年)主演男優賞を受賞した。「エンドロールを見るまで違う役者さんが演じているのかと思っていた。それくらいになれたらいいな、と思う」。

■雪之助と実の父親も重なって見えた

 雪次郎とのシンクロを痛切に感じたのは、「役者になりたい」という息子の意志を尊重した父・雪之助(安田顕)との関係だ。

 「おこがましいんですが、安田顕さん演じる雪之助さんと、僕の父が重なって見えました。父は元プロ野球選手で、僕も子どもの頃から野球やっていました。父から『野球をやれ』と言われたこともなく、教わったこともなく、自分でやりたくて始めた野球ですが、プロになれるのは一握りの本当にすごい選手たちで、自分は無理だと気づいて。父に『野球をやめたい』と言った時のことを思い出してしまいました。そういう話を(脚本家の)大森さんに話したことはなかったんですが、第13週の台本を読んで、なんかもうやめてくれ~、と心がざわつきました」

 山田が将来の進路として俳優の道を志したのは、高校生の頃。2011年『海賊戦隊ゴーカイジャー』(テレビ朝日)で俳優デビューを果たす。その後、ドラマ・映画などへの出演を重ねていった。活躍が顕著になったのは、昨年(18年)、主演映画『あの頃、君を追いかけた』のほか、映画『あゝ荒野』『虹色DAYS』『万引き家族』『となりの怪物くん』といった出演作が次々と公開され、ドラマ『特捜9』(テレビ朝日)のレギュラー出演も話題になった。

 今年は、『なつぞら』のほかにも、『特捜9 season2』、配信ドラマ『聖☆おにいさん』(ピッコマTV)、『大全力失踪』(NHK・BSプレミアム)に出演。発表されているものだけでも、映画『HiGH&LOW THE WORST』(10月4日公開)、映画『嘘八百 続編』(2020年新春公開予定)、主演舞台『終わりのない』(10月29日~)が控える。

 そんな山田は愛知県出身。小倉トーストなどに代表される小豆を使った菓子になじみが深い土地柄で育ったせいか「和菓子が好き。特に羊羹が好き」。『なつぞら』の舞台、北海道・十勝は国内最高級の小豆の産地。そもそも菓子店「雪月」の一人息子という設定も「僕が愛知出身だからなのか。大森さん、どんだけ僕のこと好きなんだろうって思ってしまいます(笑)。本当にお会いしたことがないから不思議。打ち上げの時にきっとお会いできると思うので、その時、直接、聞いて最大の感謝の意を伝えようと思っています」。