NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)で、主人公・田畑政治を演じる俳優の阿部サダヲ(49)が27日、愛媛県宇和島市の南予文化会館で開催された「大河ドラマ『いだてん』トークリレーin 愛媛県宇和島市」に出演。約900人の観客を前に、終始笑いの絶えないトークを繰り広げた。

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 全国各地で開催してきた『いだてん』トークリレーは、四国に初上陸。愛媛県は、1928年アムステルダム五輪・1932年ロス五輪の2大会連続で金メダルを獲得した鶴田義行(ドラマでは大東駿介が演じる)にゆかりのある土地。会場には、鶴田さんの長女と孫が来場していて、阿部が客席に降りて行ってインタビューするひと幕もあった。

 鶴田は戦後、妻の地元・愛媛に移住し、水泳の普及に尽力。1956年、田畑が選手団長を務めたメルボルン五輪では、宇和島市の出身の吉村昌弘が、かつてロス五輪で金メダルを獲得した鶴田と同じ200m平泳ぎで、銀メダルに輝いた。

 また、嘉納治五郎の意思を引き継ぎ、田畑が開催に尽力した1964年東京五輪で、体操男子団体優勝とともに、跳馬で金メダルをとり、体操日本を世界にアピールした立役者、「山下跳び」の山下治広も宇和島市出身という、田畑にも浅からぬ縁がある。

 阿部は終始、子どもからお年寄りまで笑わせる巧みなトークを披露。「小さい頃水泳教室に通っていたが、久しぶりにオープニング映像のために平泳ぎをした。しかしいきなりスーツで泳がされるとは思わなかった」と愚痴ったり、「田畑さんは、早口でせっかちなキャラクターだが、自身はプライベートでは穏やかだ」と自己アピールしたり。

 「田畑さんは、正直で裏表がないが、口が悪いマーちゃんなので、ひどいことをズバズバ話して、ちょくちょく劇中で、皆川猿時演じる松澤一鶴から、ビンタされる」という話で観客の同情を集めた一方、「薬師丸ひろ子さんに『ババァ』と口の悪いせりふを言わなくてはならないが、薬師丸さんから『やっぱりババァは傷つきますね』と、やんわり言われた」と打ち明けた際には、薬師丸に同意する女性客の冷たい視線を浴びていた。

 体協のシーンでは、「役所広司さんはじめ、皆さんがかなりベテランで高齢なので老眼対策で、字の大きな台本を持ってこられていた」と暴露。すると、会場から「50になったら老眼が来る」とツッコまれ、「来年から自分も仲間入りか」と阿部が返す場面も。

 実は、思ったことを口にしてしまう点では、『いだてん』の田畑に負けず劣らずだった宇和島の観客たち。オリンピックに関するクイズのコーナーでは、出題と同時に観客が答えを叫ぶ人が現れ、観客同士が競う合うようになり、今まで例にない、クイズにならないクイズコーナーとなって、大きく盛り上がった。

 阿部は「筋肉が素晴らしい裸体に囲まれる水連は、フレッシュなので、陸連や体協とは全然ちがうから、肉体美も楽しみにしてください」と後半戦を上手にPR。

 「大河でしか共演できないベテランの先輩とお芝居ができる機会があって、貴重な経験をさせてもらっている」と感謝しつつ、中でも今年3月に亡くなった萩原健一さん(高橋是清役で出演)との共演シーンに触れ、「土産に持っていった木靴でコツンと殴られるアドリブは痛かったが、亡くなられた萩原さん最後の仕事で共演できたので、『ショーケンに最期に殴られた男』として頑張っていきます!」と、故人偲んでトークを締めくくっていた。

 終了後、阿部は、来場していた田畑さんの秘蔵っ子で、1972年ミュンヘンオリンピックの男子競泳100m平泳ぎ金メダリストの田口信教(のぶたか)さんと対談を行った。この模様は、NHK松山放送局の番組として、近日放送予定となっている。