ロックシンガーのダイアモンド☆ユカイ(☆は六芒星が正式表記)が23年間、大切に歌い続けてきた歌がある。「君はともだち」。ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー』の日本版主題歌だ。「はじめはピンとこなかったし、まさかこんなに長く歌い続けることになるとは、ね(笑)。今では自分にとってかけがえのない曲になりました」と話す。

【動画】唐沢寿明&竜星涼、フォーキーを作ってみた

 1986年、ロックバンド・RED WARRIORSのボーカル・DIAMOND☆YUKAIとしてデビュー。類まれなるカリスマ性と高いパフォーマンス力で、ジャパニーズ・ロックシーンをけん引。89年に解散後、ソロとして音楽活動を中心に、俳優、バラエティー等と幅広く活動している(後にRED WARRIORSは再結成され、現在は不定期でライブを開催)。

 1995年11月、ピクサー・アニメーション・スタジオが制作した世界初の全編CGアニメーションによる長編映画『トイ・ストーリー』が公開され、世界に衝撃を与える。その4ヶ月後、96年3月の日本公開へ向けて、ユカイのもとにある依頼が舞い込む。それが日本版主題歌「君はともだち」を歌うことだった。

 「世界初のCGアニメーション映画の主題歌というお話しをいただいて、こっちは『CGアニメーションって何?』ってそこからでしたよ(笑)」。当時、Windows 95が発売されたばかり。インターネットの普及もこれからという時代だ。

 「当時、自分もバリバリのロックシンガーで、ディズニーとは最も遠いところにいた。オリジナルの『You've Got a Friend in Me』はランディ・ニューマンが歌っているというので、ひとまず、曲を聴かせてもらった。ランディ・ニューマンといえば、後にロックの殿堂入りをするほどのレジェンドですよ。平たく言うと彼の大ファンだったから、引き受けることにしました(笑)」

 訳詞は、フォークシンガーの中川五郎が担当。「ずいぶんシンプルな歌詞になっていて、『ピンとこないな』って、当時は文句言いながら歌っていたかな(笑)。英語で歌う方がかっこいいと思っていた。自分のライブでもたまに日本語と英語をミックスして歌ったりしてね」

 それが歌い続けていくうちに「子どもを授かったこともあって、いろいろなことが変わったと感じる中、『君はともだち』の訳詞の意味合いも変わった。歌えば歌うほど、その良さが身にしみてわかるようになった。今では絶対に日本語で歌うべきだと思っている」と、大転換。

 「ウッディ役の唐沢寿明さんが歌っていると思われていて、クイズ番組の問題になったこともあった(笑)。いまでは、ライブなどで歌うたびに、観客の皆さんが喜んでくれるのを見ると、ダイアモンド☆ユカイが歌っているんだ、という自信や誇りを持つことができてうれしいし、この曲はオレだけのものじゃなくて、みんなのものにもなった。そう思える歌に出合えたことに感謝です」

 現在公開中の『トイ・ストーリー4』では、新たにレコーディングを行い、新曲「君のため」も歌うことに。

 「『君のため』は、フォーキーやボニーに対するウッディの思いを歌ったもの。初めて聴いたときはウッディの成長が伝わってきたし、子どもに対する親心を感じることができた。ランディ・ニューマンのオリジナルは、エルヴィス・プレスリーのような王道のロックな感じなんだけど、この曲も単なる訳詞の次元を超えた味わい深いものになって、うれしかったですね」。

 「君はともだち」との出合いが、その後の音楽人生を変えたといっても過言ではない。

 「ロックンロール一辺倒だったところに、ある種の人生の味わいを教えてくれたのが『トイ・ストーリー』という作品、『君はともだち』との出合いでした。それが時間的な流れの中で変化しつつ積み重なって、子どもたちを思う気持ちを歌詞に込めた『ムクロジの木』や『はじめてのおつかい』(日本テレビ)のテーマ曲になった『お前を見守る風になりたい』の誕生にもつながったと思います。自分の人生の中で全部つながっている」。

 改めて「トイ・ストーリー」シリーズの魅力を聞いた。

 「出会いがあって、成長して、『トイ・ストーリー3』みたいな別れも経験して。それで人生、終わりじゃない。そこからまた新たな出会いや冒険がある。それを描いたのが『トイ・ストーリー4』だよね。おもちゃたちの話なんだけど、人生そのものだな、と思えるところがいいよね」。