NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)の後半の主人公・田畑政治を演じる阿部サダヲと脚本を担当する宮藤官九郎がそろって登壇するトークイベントが21日、東京・渋谷で開催された。話題に上がったのは、本作での“田畑政治”のキャラクターについて。

【画像】『いだてん』田畑政治の劇中カット

【阿部】脚本が宮藤さんなので、絶対的な信頼をしているので、何も考えなかったですね。田畑さんは何を言っているのかわからないくらい早口で、とにかく熱い男だと。書いてあるとおりのことをやっています。だいたい田畑のセリフのところにはビックリマークが何個かついているので、大きい声を出せってことなのかなと。

【宮藤】1回につき5分から10分台本が長いって言われるんですよ。二部からは阿部君だってわかっていたので、(長さは)なんとかなるだろうと。

【阿部】早口でしゃべって巻けば、入るんですよ(笑)

【宮藤】本当、ほかのキャラクターは全角で、阿部君のセリフだけ半角で書こうかなって思うくらい。「早くしゃべれば入りますよ、阿部君でしょ? 入りますよ」って。田畑さんの資料はあまり多くないんですが、「(早口すぎて)何を言っているか分からない」「“あれ”や“それ”が多い」と。何を言っているのかわからないといってもさすがに限度があるだろうと思ったのですが、実際の田畑さんの映像を見たら、本当に何を言っているか分からないんですよ!

【阿部】だから僕はハッキリしゃべっていると思っています。

【宮藤】ほかにも、手記にあったたばこを逆さに咥(くわ)えたというエピソードや、口癖、「こんなことできる? できないよぉ~!」というしゃべり方は、そのまま生かしています。早口は(阿部さんなら)大丈夫だろうなと思っていました。それと、どんなひどいことを言っても、可愛げがあるというか、チャーミングさでごまかせる(笑)。完成したドラマを見て「ひどいこと言ってるな」と思うと、だいたい台本どおりなんですよね(笑)。

 『いだてん』の今後の見どころ、そして来年7月24日から始まる、東京2020オリンピックへの期待を語った。

【宮藤】このドラマをやろうと思ったひとつの大きなきっかけが、“1940年に東京にオリンピックが来る予定だった”ということで、意外とみんな知らなかったりするんですよね。新聞記者として、体協(日本体育協会)の人でもある田畑さんが受けた心の傷やもどかしい気持ちを、最終的に1964年に持っていくという、すごくまじめな役なんですけれど、さすがに田畑さんを演じているのが阿部君なので、暗いだけにはならないんですよ。暗い時代と一人、戦っていたのが田畑さんなので。日本を明るく、明るくと。これからむしろ本領発揮という感じです。

【阿部】僕はスポーツで明るくなるというドラマをやっているので、日本が明るくなってほしいし、これで若い人たちが力強くなってほしいなと思いますね。いまオリンピックに向けて街ができていく形が分かるじゃないですか。千駄ヶ谷のあたりとか。

【宮藤】まさに64年のそのあたりのエピソードを書いたんですが、首都高が羽田から新宿まで通ったのがオリンピックの10日前なんですよ。ギリギリだけど間に合うんですよね。それと、東京だけでなく、全国も盛り上がってほしいですね。聖火リレーとかが盛り上がったら良いのかなと思います。64年の時は10万人走ったらしいですよ。

【阿部】来年オリンピックが来ますが、みなさんどうやって招致されるかなどの裏方のことは分からないのではと思うので、そういうところを見ていただきたいです。来年と重なるところもあるので、「こういうことがあって今があるんだな」というのを、ぜひ見てほしいと思います。

【宮藤】金栗さん(中村勘九郎演じる第一部の主人公・金栗四三)もちょこちょこ出てくるんですよ。主役だった人が途中から脇役になるという新しいパターンです。だんだんかわいらしくなっていくので、そこも楽しみにしていてほしいなと思います。第1回や途中に少しだけ出ていた松重豊さん(東京都知事・東龍太郎役)や松坂桃李くん(JOC常任委員・岩田幸彰役)が後半は中心になっていきます。ずっとオリンピックという軸で50年の歴史を描いているので、最後まで見届けていただきたいなと思います。