シンガー・ソングライターで俳優の星野源が主演の映画『引っ越し大名!』(8月30日公開)で、姫路藩の御刀番・鷹村源右衛門(たかむら げんえもん)を演じる高橋一生。歌手デビューも果たし、インテリで優男なイメージな役柄を多く演じた高橋だが、本作では豪快な性格で武芸の達人という役どころで、今なお俳優として演技の幅を広げている。メガホンを取った犬童一心監督や、抜てきしたプロデューサーのコメントから、高橋が切り拓いた新境地に迫る。

【別カット】引っ越し奉行を嫌がる星野が家臣たちに連行される…

 高橋演じる鷹村は、引きこもり侍・片桐春之介(星野)とは幼なじみの間柄。誰もやりたがらない引っ越しの総責任者“引っ越し奉行”に、書庫に引きこもっているから知識もあるだろうと春之介を推薦して、表に引きずり出した張本人だ。しかし、そこに悪気はなく、コミュニケーションを取るのが苦手な春之介を助けようと共に奮闘していく、男らしい人物。

 本作の矢島孝プロデューサーは「声のトーンが低い方ですが、あの声で豪快な役をやってもらったら今までのイメージを壊すような新しいキャラクターが生まれるのではないだろうかと思いオファーさせてもらった」と高橋の抜てき理由を説明。豪快な人物らしい迫力ある大声を披露するだけでなく、体作りにも力を入れたそうで「撮影時は普段のスーツが合わなくなったくらい筋肉がついていたそうです」と矢島プロデューサーが語るほど、役に対して真摯に向き合った。

 犬童監督は「鷹村という役は最初から最後まで一切成長しないし、徹底して良い意味でバカな役」と笑う。高橋については「振り切ってやってもらいたかったんです。おそらく一生さんは脚本を読んだ時に、単純なキャラだけどこれはやりようによっては相当面白い役になるって気が付いてくれたんじゃないかな」と、豪快なキャラに高橋なりに気付いた部分があったと語る。春之介と鷹村の凸凹幼なじみコンビのコミカルなやり取りを通して、役者として新しい姿を見せた高橋の演技にも注目したい。

【映画あらすじ】
 物語は、生涯に7回もの国替えを命じられ“引っ越し大名”のあだ名がつけられた直矩(及川光博)がモデル。姫路藩書庫番の片桐春之介は、書庫にこもりきりの引きこもり侍。あるとき、直矩は豊後(大分県)の日田に国替えを命じられる。“本ばかり読んでいるから引っ越しの知識があるだろう”と引っ越し奉行に任じられた春之介。幼なじみで武芸の達人・鷹村源右衛門、前任の引っ越し奉行の娘・於蘭(高畑充希)の助けを借りながら、1万人の引っ越しを担う。