フランスで開催されている『第71回カンヌ国際映画祭』で「監督週間」に選出されたアニメーション映画『未来のミライ』(7月20日公開)が現地時間16日、公式上映され、細田守監督、声優を務めた上白石萌歌が舞台あいさつを行った。

【写真】上白石萌歌はフランス語であいさつ

 同作は、甘えん坊の男の子“くんちゃん”と未来からやってきた妹“ミライちゃん”が織りなすちょっと変わった「きょうだい」の物語。上白石はくんちゃんの声優を務めている。

 開催50年目の節目となった「監督週間」は、フランス監督協会が主催し、カンヌ映画祭から独立した並行部門。作家性を重視し、映画監督が世界に出て行く登竜門として知られており、これまでもソフィア・コッポラ監督、日本人では大島渚監督、北野武監督などが選出。近年、「監督週間」に選出されたバンジャマン・レネール監督『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』(2012年)、高畑勲監督『かぐや姫の物語』(14年)、クロード・バラス監督『ぼくの名前はズッキーニ』(16年)は、いずれも米国アカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされている。今回は1609本もの応募作品の中から20本の長編作品が選ばれ、アニメーション作品では『未来のミライ』だけが正式招待された。

 公式上映会場となったシアタークロワゼットには、幅広い年齢層の850人もの観客が来場。本編上映後、共に初のカンヌとなった細田監督と上白石は、興奮した観客からの大きな拍手を受けながら舞台あいさつに登壇した。

 上白石は「Bonjour!Je suis Moka Kamishiraishi.(こんにちは!上白石萌歌です)」と緊張しながらもフランス語であいさつ。細田監督は「今まで家族をモチーフに作品を作ってきました。今回は4歳の男の子のとても小さなお話ですが、どこにでもある一つの家族を通して、何百年、何千年と続く人生のループみたいなものを描きたいと思って作りました」と作品についてコメント。「アニメーションという表現で作る映画はまだまだやっていないことが多い。(高畑勲監督や宮崎駿監督といった方々が)これまでたくさんの作品を生み出されており、そのバトンを受け継ぐように、さまざまなことにチャレンジをし、表現していかなければいけないと思います」と想いを語った。

 舞台あいさつを終えて、細田監督は「日本よりも先に、世界の方々に観てもらうことが大変なプレッシャーを感じていました。初めての上映はいつも緊張しますが、上映が終わった後、たくさんの拍手をいただけて今はとてもホッとしています」と安堵。「映画が出来上がり、お客さんが観終わって初めて映画が完成します。子どもが生まれる瞬間と同じ気持ちで、カンヌのお客さんに、映画の誕生の瞬間に立ち会っていただき、祝福されながら無事に映画が生まれました。上映中には何度も笑い声が聞こえ、お客さんの反応を直接感じることができてうれしかったです」と話していた。

 上白石は「監督の隣で初めて作品を観させていただくこととフランス語でのあいさつがとても緊張しましたが、しっかりと想いが伝わって良かったです。カンヌで映画が生まれた瞬間に立ち会うことができてとても幸せで、夢のような時間でした」と感慨深げだった。

 同作は、世界最大規模のアニメーション映画祭として知られているフランスの『アヌシー国際アニメーション映画祭2018』の長編部門コンペティションにも選出されており、細田監督の参加も決定。今夏には、細田監督がアジア数か国を巡る舞台あいさつツアーも行われる。