太平洋戦争中、飛行場建設に従事した在日コリアンの子孫らが暮らす京都府宇治市の「ウトロ地区」の家屋に火を付けたとして、非現住建造物等放火などの罪に問われた無職有本匠吾被告(22)は7日、京都地裁の被告人質問で「韓国人への敵対感情があった。ウトロ平和祈念館の開館を阻止するためだった」と動機を語った。

 祈念館は同地区に今年4月にオープン。写真や新聞記事など地区の歴史資料を展示する。昨年8月の事件で展示予定だった立て看板約40枚が焼失した。住民側は特定の民族に対する蔑視感情に基づくヘイトクライム(憎悪犯罪)だと憤る。

 有本被告は朝鮮半島にルーツを持つ人たちと直接関わったことはなく、歴史問題を取り上げた報道などに触れて反発を強めたと説明。「展示品を使えなくすることが開館阻止につながる。放火は間違ったやり方だったと思うが、後悔はない」と述べた。

 公判後、京都市内で記者会見した祈念館の金秀煥副館長は「いろんな人たちの思いがある祈念館について身勝手で浅はかに語っており、本当に悔しい。司法がヘイトクライムは許されないと示すことが大切だ」と話した。