「藤寺」の名で知られる鳥取県大山町の住雲寺で約3万房のフジの花が見頃を迎え、訪れる人を楽しませている。約600平方メートルにわたる藤棚からは薄紫色の花穂が長く垂れ、甘い香りを漂わせる。

 フジを育てる吉本信裕住職(67)によると、参詣者が絶えない寺になるようにと願った檀家が1961年、埼玉県春日部市の国の特別天然記念物「牛島のフジ」の苗木を寺に寄贈し、先代の住職が植えたのが始まり。

 鳥取市に帰省中に家族と訪れた大阪府の主婦(56)は「母が約10年前に亡き父と見に来た思い出のフジ。見事ですね」と花を見つめながら語った。