近隣住民同士で不要品の処分や購入ができる掲示板サイト「ジモティー」を通じて譲渡した動物が、直後に虐待された疑いがあるとの相談が2019年以降、サイト運営会社に複数寄せられていることが5日までに分かった。ジモティーで入手したペットに危害を加えるとの趣旨の書き込みが別の掲示板サイトで確認されたケースもあり、一部のユーザーは初めから虐待する目的で飼い主募集に応じた疑いもある。

 運営会社によると、昨年1年間で犬や猫など計約1万匹の取引が成立。殺処分の減少に貢献しているとの評価がある。会社は(1)動物を譲り受ける際は契約書を交わす(2)1人のユーザーが譲り受けられる回数を原則1回に制限(3)身分証を提出させる―などの対策を取っているが、悪質なユーザーを完全には排除できない現状が浮き彫りになった。

 運営会社はトラブル発覚を受け、問題行為が明らかになったユーザーのアカウントを停止。共同通信の取材に「安心して譲渡ができるようサービス改善をしていきたい」としている。

 動物愛護法に詳しい細川敦史弁護士の話 動物の譲り受けを仲介するだけのサイト運営会社に、トラブルの責任を負わせるのは適切ではない。動物を譲渡する側が、譲渡先の家族構成や譲渡後の飼育環境などを聞き出し、相手の適性を的確に見極める必要がある。条件を厳しくしすぎると引き取り手が現れなくなる恐れがあるが、譲渡後も一定期間やりとりをし、フォローするなどの工夫も求められる。

 動物虐待に詳しい植田勝博弁護士の話 初めから虐待する目的で動物を入手しようとする人間は一定数いる。動物を譲受できるインターネットの掲示板は合理的なツールといえるが、命を託す先との接点が希薄なため、だまされる可能性もある。契約の土台となる信頼の裏付けは、掲示板の運営会社に提出された資料と、口頭での約束だけ。「一度譲渡したら、後は相手の手の中」と認識し、慎重に取引すべきだ。