太平洋戦争中に軍の命令とのはざまで苦悩しながら住民の命を救おうとした沖縄県知事島田叡の生誕120年を記念した朗読劇「島守の塔」が22日、東京・蒲田の大田区民ホールで上演される。

 語りは貴城けい、北翔海莉、舞羽美海ら宝塚歌劇団出身の俳優3人。島田役の貴城は「彼の存在を心に刻み、沖縄戦を伝えたい」と意気込む。

 朗読劇は、6月公開を目指していた同名の映画が新型コロナウイルスの影響で延期となったため、その脚本を基に、急きょ企画、制作された。

 北翔は島田の片腕で県警察部長の荒井退造役を、舞羽は2人から、沖縄の未来を託される県職員がモデルの比嘉凜役をそれぞれ演じる。

 戦争末期、沖縄県に赴任した内務官僚の島田が、激しい戦闘を予想して県民に他県への疎開を勧める一方、食糧調達に奔走。米軍の上陸作戦が始まると、3人は洞窟や防空壕を移動して任務を遂行するが、激戦のさなかに島田は荒井と壕を出たまま行方不明となった。

 住民目線の行政手腕で短期間で県民の心をつかんだ島田を「見習う部分が多く、その人間力にほれた」と語る貴城。「朗読劇というシンプルな形で、思いをどこまで表現できるか、挑戦ですね」

 北翔は、荒井が島田の懐の深さに接し「徐々に心を穏やかに変化させていく姿をうまく表現できたら」と意欲を見せた。

 今回の舞台について、舞羽は「命こそ宝、というメッセージが込められている」と強調。「作品からパワーをもらった。皆さまにもエネルギーを届けたい」と語った。

 3人は三線奏者の岡村聡士の演奏で、沖縄民謡や岡村が書き下ろした主題歌も披露する。

 公演は26日から7月2日までオンラインでも配信する。チケットなど詳細は、「朗読劇『島守の塔』」の公式サイトで。