三島由紀夫(1925~70年)が新進作家として頭角を現した20代半ばに掌編小説「恋文」を執筆、新聞に発表していたことが6日分かった。全集や単行本には収録されておらず、これまで存在が埋もれていた。

 「恋文」は、宴席でハンカチを取り出そうとした「支店長」が「明日五時PX前でお待ちします。X子」と書かれた不審な恋文を発見。帰宅後に意外な“差出人”が判明して落着と思いきや、一家に潜む不穏な事実が暗示される。

 三島が専業作家となり、長編「仮面の告白」を発表した直後に当たる49年10月30日付の朝日新聞大阪版、西部版に、特集「400字小説」の一編として掲載された。