人形浄瑠璃文楽の人形遣いの第一人者で人間国宝の吉田簑助さん(87)が24日、国立文楽劇場(大阪市)で現役最後の公演を務め、引退した。華麗な手さばきで観客を魅了し、約80年に及ぶ舞台人生を締めくくった。

 吉田さんは「国性爺合戦」の「楼門の段」に出演。幼少時に生き別れた父親と再会する女性「錦祥女」の人形を細やかに動かし、その思いを繊細に表現すると、客席から盛大な拍手が送られた。

 吉田さんは出番の後、舞台から観客にあいさつ。三味線の人間国宝、鶴沢清治さん(75)から花束を渡され、吉田さんは感極まった様子で目を潤ませた。