東京電力福島第1原発事故で2019年まで全町避難をしていた福島県大熊町が10日、町内産の酒米で造った日本酒「帰忘郷」をお披露目した。避難先との縁を保ちたいと、仮役場を置いていた会津若松市の酒蔵で仕込んだ。吉田淳町長は「避難で長年使わなかった田んぼから酒造りができ、感無量だ」と話した。

 公募で決まった名称には、離れ離れになっても故郷を忘れずにいたいとの思いが込められている。町の大川原地区の田んぼで昨年植えた酒米を使用した「帰忘郷」は、会津若松市の酒蔵「高橋庄作酒造店」で仕込まれた純米吟醸酒。高橋亘社長は「穏やかな香りを持った懐の深い酒ができた」と話した。