「聞く力」を掲げる岸田文雄首相は、10月の就任から約1カ月で国民との車座対話を早くも10回実施した。相手は新型コロナ禍が直撃する医療・介護関係者や飲食店経営者が目立つ。東日本大震災の被災者や農水産業関係者とも面会し、困窮者を支援する姿勢をアピール。ただ、国民の声をどのように受け止めて政策に反映させるのか具体像は見えない。

 「政治にしてもらいたいことはありますか」。首相は就任から5日後の10月9日、車座対話の第1弾で新型コロナ患者を受け入れる東京都内の病院を訪れた。「コロナの重症患者に対応するのがすごく不安」と訴える新人看護師に、首相はこう言葉を掛けた。