日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画「新聞記者」を手掛けた藤井道人監督の最新作「宇宙でいちばんあかるい屋根」(4日公開)。小説家野中ともそさんのファンタジー小説を原作とする、心温まる青春ストーリーだ。

 藤井監督は「『新聞記者』を経て、もっとポジティブな目線で社会を切り取ってみたくなった」と語る。

 主人公は家庭にも学校にも悩みを抱えた14歳の少女つばめ(清原果耶)。ある夜、書道教室の屋上で謎めいた「星ばあ」(桃井かおり)と出会い、少しずつ心を開いていく。

 「SNS(会員制交流サイト)の登場で人間関係が大きく変化した今、改めて自分を支えているのは誰かを思い起こすきっかけにしてほしい」と藤井監督。「かつて少年少女だった大人たち」に届けるため、時代設定を2005年とした。

 主演の清原について「当時17歳なのに、カメラを通すと中学生にしか見えない」と、その演技力に舌を巻く。桃井や父親役の吉岡秀隆ら、演技派の共演者と向き合う中で「どんどん変化していく彼女の表情を撮れたのは監督冥利に尽きる」。

 つばめと星ばあが交流を深める屋上の場面は、全てセットで撮影。頭上に広がる夜空はCGで作り上げた。「つばめの心情に合わせて雲の量が変化したり、月が満ちていったりしている。ファンタジーならではの演出に注目してもらえるとうれしい」