熊本県水俣市などは21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、水俣病犠牲者慰霊式の本年度の開催を見送ることを決めた。もともと5月だった予定を延期し、開催するかどうか検討していた。市によると、慰霊式が始まった1992年以降、中止は初めて。

 市などでつくる実行委員会の緒方正実委員長(62)は「水俣病を経験したからこそ、命の大切さを重視した。初めてなので大変重い決断だ」と話した。

 慰霊式は例年、水俣病が公式確認された5月1日に開かれ、環境相や熊本県知事らが出席。公式確認から64年となる本年度は、患者団体「水俣病互助会」による少人数での慰霊祭だけが開かれていた。