北海道浦幌町でアイヌの伝統儀式「カムイチェプノミ」で使う新しい丸木舟が完成し19日、町内の川で進水式が行われた。

 午前10時ごろ、浦幌アイヌ協会が川沿いで神に祈る儀式を実施。舟に魂を入れた後、司祭ら3人が乗り込んで進水させ、船首にはめこまれた舟の神様のイナウ(木幣)に安全を祈った。

 舟は池田町で伐採した直径約90センチ、長さ約7メートルのトドマツをくりぬいて作った。舟の側面には守り神のフクロウや、水、小鳥、木の神様の文様が彫られている。

 舟は9月下旬に予定されている伝統儀式まで浦幌町立博物館で展示される。

 浦幌アイヌ協会は、法律で禁じられた河川でのサケ捕獲は、先住民族が持つ権利として、国や道に対する訴訟を検討しており、丸木舟の完成について同協会の差間啓全さん(53)は「サケ捕獲権を含む先住権回復の一歩になれば」と話した。