ベストセラー小説や人気コミックが今日盛んに映画化されるように、かつて大衆芸能の王者だった浪曲は、昭和初期から戦後の一時期にかけ、しばしば映画の題材となった。その魅力を紹介する「浪曲映画祭 情念の美学2020」が26~30日、東京・渋谷のミニシアター「ユーロライブ」で開かれる。

 忠臣蔵をさまざまな切り口で描いた溝口健二監督らの作品や、無声映画時代の伊藤大輔監督、大河内伝次郎主演の傑作「忠次旅日記」(1927年)、三益愛子主演で人気を博した大映“母もの”シリーズの「母の瞳」(53年)など17本を上映。現役浪曲師らによる口演と座談会も織り交ぜ、浪曲映画の神髄を探る。

 浅草で浪曲定席「木馬亭」の席亭を長く務め、昨年91歳で死去した根岸京子さん(映画「遠雷」の根岸吉太郎監督の母)をしのび、木馬亭を舞台にした新作ドキュメンタリー「浪曲師になってしまった!」も上映する。

 ユーロライブでの浪曲映画特集は昨年に続く第2弾。新型コロナウイルス対策のため前後左右1席ずつ空け、定員のほぼ半数の94席で行う。