「蒸発」や「Wの悲劇」などの推理小説で知られる作家の故夏樹静子さんが高校時代に執筆したとみられる未公表の原稿が、福岡市の自宅で見つかった。純文学志向の内省的な小説で、評論家は「高校生で早くも社会派の原点が見える貴重な資料」と評価する。

 題名は「晩夏」で、400字詰めの原稿用紙11枚。日本女子大付属高に入学した54年の作品とみられる。

 ミステリー文学に詳しい詩人二沓ようこさんが夏樹さんの書斎を調査し、今年12月に未公表作品と確認した。二沓さんは「自他の心の機微や偽る性質を鋭く見抜き、真実を探究する姿勢に推理作家としての兆しが見える」と評価した。