1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、再審請求中の袴田巌さんの一審静岡地裁判決で、無罪との心証を持ちながら死刑判決を書いたと後に告白した元裁判官熊本典道(くまもと・のりみち)さんが11日午後2時57分、急性肺炎のため福岡市の病院で死去した。83歳。佐賀県出身。葬儀は近親者で営む。

 66年に静岡県で4人を殺害したなどとして起訴された袴田さんの一審を担当。判決翌年の69年退官。自責の念から2007年、「公判当時、無罪との心証を持っていた」と告白。それ以降、袴田さんの再審請求審を巡り、陳述書を裁判所に提出するなど支援を続けていた。