フランツ・カフカ作品などの翻訳で知られ、エッセイストとしても活躍したドイツ文学者の池内紀(いけうち・おさむ)さんが8月30日、死去した。78歳。兵庫県出身。

 東京外国語大を卒業し、東京大大学院を修了。留学先のウィーンでは、隣国のチェコスロバキア(当時)で1968年に起きた自由化運動「プラハの春」の行方を見守った。

 神戸大助教授や東京都立大教授、東京大教授を歴任したが、55歳で東京大を辞して文筆業に専念。カフカやエリアス・カネッティ、ギュンター・グラスらによる多くのドイツ語小説を翻訳したほか、「諷刺の文学」「ウィーンの世紀末」など幅広い著作を残した。