ゲームを通して変わりゆく北極について考えよう―。日本科学未来館(東京都江東区)と、国立極地研究所などで構成する北極域研究推進プロジェクトが、教育向けボードゲーム「The Arctic」を開発した。

 ゲームは12歳以上が対象で、4~6人でプレーする。「海洋学者」「文化人類学者」「先住民」「開発業者」「漁業者」「外交官」のいずれかとなったプレーヤーが、それぞれに課された目標の達成を目指す。

 北極を模したボード上に33枚の氷タイルのカードを並べてゲーム開始。温暖化の進行で北極の海氷が減少していくように、1枚ずつカードをめくると、トナカイの大量死や、油の流出事故などのトラブルが発生する。

 8月に未来館で体験会が開かれ、夏休みの親子連れや大学生ら約30人が参加した。最初はそれぞれが自分の利益を追求した結果、温暖化の被害が拡大。2度目は話し合いながらゲームを進めることで、クリアするプレーヤーが増えた。

 プロジェクトに参加する海洋研究開発機構の菊地隆上席技術研究員は「北極の温暖化対策には、利害を超えた協力が必要であることを伝えたかった」としつつ「未来を担う中高生たちに、北極の研究について知ってほしい」と語った。

 非売品で100セットを制作。未来館や各研究機関で体験会を実施するほか、教育機関への出張授業などでの活用を予定している。